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2023 Fiscal Year Annual Research Report

匂い分子結合タンパク質の生理機構の解析と薬剤輸送キャリヤーへの応用

Research Project

Project/Area Number 21K09645
Research InstitutionMuroran Institute of Technology

Principal Investigator

澤田 研  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50304308)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords匂い分子結合タンパク質 / 嗅覚輸送 / ドラッグデリバリー / 薬剤キャリヤー
Outline of Annual Research Achievements

匂い分子結合タンパク質(Cp-Lip1とCp-Lip2)の生理機構の解析では、Cp-Lip1タンパク質が匂い刺激時間依存的に嗅上皮での分布変化が起こることを明らかにした。このとき、刺激5分後で刺激前には粘液層に分布していたタンパク質が細胞内に取り込まれていることが分かった。10分以上では粘液層内には分布していたがそれ以降細胞内への取り込みは見られなかった。同じ条件でカルシュウムイメージング法により嗅神経細胞の応答を確認したところ初めは応答が見られたが、5分以上では匂い刺激の応答は見られなかった。これらのことから匂い慣れにおいてスカベンジャーとして機能していることを見出した。匂い除去においてエンドサイトーシスにより嗅上皮内に取り込まれこのときCD36を介して細胞内に取り込まれていることも明らかにした。更に、これに関与する本タンパク質のアミノ酸残基も同定した。一方、Cp-Lip2では時間依存に関係なく細胞内に取り込まれていることが分かった。また、このタンパク質は嗅神経細胞の匂い受容を阻害する機能を有していることも明らかにした。これらのことからこのタンパク質はスカベンジャー機能を有していると考えた。
このタンパク質を用いた脳への薬剤機構系の確立において本タンパク質が嗅覚輸送により投与後10分で脳室全体に分布し3時間後には消化されていることが分かった。このタンパク質を薬剤キャリヤーとして用いた時、嗅覚障害マウスの治療において本タンパク質を薬剤キャリヤーとして用いてないときの完治に必要な投与量は1/3量で完治したことからこのタンパク質は薬剤キャリヤーとして有効であることが分かった。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 嗅覚障害モデルマウスを用いた匂い分子結合タンパク質の薬剤キャリアーとしての可能性2023

    • Author(s)
      林 真央、太田拓希、荒木 匠、金田春佳、遠藤翔太、細井鈴音、澤田 研
    • Journal Title

      日本味と匂学会誌 第55回 proceeding集

      Volume: 1 Pages: 33-36

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 初期の嗅覚障害マウスでの病理学的解析と自然治癒の可能性2023

    • Author(s)
      荒木 匠、林 真央、太田拓希、細井鈴音、澤田 研
    • Journal Title

      日本味と匂学会誌 第55回 proceeding集

      Volume: 1 Pages: 29-32

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 嗅覚障害マウス治療における匂い分子タンパク質を薬剤キャリアーとしたときの薬剤投与量の閾値解析2023

    • Author(s)
      横山実夢 塚田健介 阿部睦生 伊藤 誠 澤田 研
    • Organizer
      第57回 日本味と匂学会
  • [Presentation] 長期的な(20週間)慢性ストレスによるマウスの行動学的および病理学的解析2023

    • Author(s)
      林 真央 太田拓希 細井鈴音 横山実夢 阿部睦生 塚田健介 澤田 研
    • Organizer
      第56回日本味と匂学会
  • [Presentation] 嗅覚および記憶障害モデルマウスの薬剤キャリアーを用いた治療の検討2023

    • Author(s)
      太田拓希 林 真央 横山実夢 細井鈴音 塚田健介 阿部睦生 澤田 研
    • Organizer
      第56回日本味と匂学会
  • [Presentation] 初期の嗅覚障害マウスでの病理学的解析と自然治癒の可能性2023

    • Author(s)
      荒木 匠、林 真央、太田拓希、細井鈴音、澤田 研
    • Organizer
      第55回大会 日本味と匂学会
  • [Presentation] ストレス期間依存的に作成した嗅覚障害モデルマウスでの嗅上皮に与える影響の解析2023

    • Author(s)
      林 真央、太田拓希、荒木 匠、金田春佳、遠藤翔太、細井鈴音、澤田 研
    • Organizer
      第55回大会 日本味と匂学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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