2022 Fiscal Year Research-status Report
網膜静脈閉塞症における虚血の関与解明と臨床への応用
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21K09678
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
平野 佳男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40405163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 力 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00324632)
鈴木 識裕 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10831258)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 網膜静脈閉塞症 / 虚血 / 黄斑浮腫 / 血管内皮増殖因子 / アンジオポエチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も網膜静脈閉塞症(RVO)患者の前房水を採取した。RVOのサブタイプ別(BRVO、hemi-CRVO、CRVO)の患者をそれぞれ10例ずつ追加した。またコントロールとして年齢をマッチングした、RVOと基礎疾患(DM、HT)のない白内障患者とRVOがなく基礎疾患のある患者の前房水も採取した。これらを用いて、今後、Ang1、Ang2、VEGF、炎症性サイトカインの発現をELISA法で比較検討する予定である。さらには、サイトカインと眼所見(網膜虚血範囲、網膜虚血部位の網膜感度)との関係性に関しても検証する予定である。 マウスを用いた実験的なRVOモデルも安定して作成できるようになってきた。現在、C57BL/6雄マウス、Cx3cr1-GFPノックインマウスで実験的RVOモデルを作成している。レーザーを施行していない群、レーザーを施行したがRVOにならなかった群、レーザーを施行しRVOが発症した群に分け、眼球を摘出し、網膜と網膜色素上皮-脈絡膜に分離し、Ang1、Ang2、VEGF、炎症性サイトカインの発現をマウスのELISA kitおよび、マルチプレックスで比較検討する予定である。 実験的マウスRVOモデルでは、ライブイメージング法により、アクリジンオレンジ(AO)に染色された白血球の動態の観察をおこなった。AOに捕捉された白血球数の比較を、レーザー未施行群、レーザー施行したがRVOを発症しなかった群、レーザーを施行しRVOを発症した群で比較した。有意にRVO発症群で他の二群と比較し、白血球の数が多かった。今後は、RVO発症群において、アイソタイプのIgGと抗VEGF抗体、抗Ang2抗体を硝子体内に注射することで、AOに捕捉された白血球の数の比較をする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験が中心の研究計画であるが、動物実験担当者の関連病院赴任により、やや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生、実験助手の確保など、人員の補充に取り組む。その上で、多くの動物実験を行っていきたい。具体的には、実験的マウスRVOモデルを使ったライブイメージングや摘出網膜フラットマウントの免疫染色でマクロファージやミクログリアの動態や局在を評価していく。また、それらの網膜虚血との関連に取り組む。さらには、クロドロン酸投与による、マクロファージやミクログリアの変化とそれに伴う網膜循環動態の変化に関しても検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度中に予定していた動物実験が行えず、その分、物品費の使用が少なくなった。次年度に抗体、試薬、ELISA kitなどを追加で購入する予定である。
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Research Products
(12 results)