2021 Fiscal Year Research-status Report
ヘッジホッグ/ネトリンによる上皮―神経相互作用の解明と神経麻痺性角膜症の治療戦略
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21K09679
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住岡 孝吉 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40433362)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50264891)
田中 才一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60316106)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソニック・ヘッジホッグ / ネトリン1 / 角膜 / コンデイショナルノックアウトマウス / ケラチン12 / アドビリン / 神経麻痺性角膜症 / 角膜創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の根幹をなす三叉神経または角膜上皮から分泌されるソニック・ヘッジホッグ(Shh)の角膜恒常性の維持機構に対する影響を検討した。角膜上皮特定的ケラチン12プロモーターを利用したrtTA/K12/CreリコンビナーゼマウスとShh floxマウスとの交配、並びに感覚神経特異的Advillin・CreマウスとShh floxマウスとの交配を行い、コンデイショナルノックアウトマウス の作成を行なった。 rtTA/K12/Cre/Shh floxマウスでは、輪部から角膜に侵入する三叉神経末梢感覚神経が減少していた個体も観察されたが、その障害が極めて弱いマウスも混在した。一方、Advillin・Cre/Shh floxマウスのホモ個体の出生率は極めて低く、研究に十分は個体を得るためには、マウス交配の継続とホモ個体の蓄積が必要であると考えた。感覚神経のShhが個体発生の初期段階で重要な役割を担っている可能性も考えられるため、並行して空間的だけでなく時間的にも発現を制御できるコンデイショナルノックアウトマウス の作成が必要であるという結論を得た。 また、従来から所属で作成・使用している頭蓋内三叉神経凝固による神経麻痺生角膜症モデルマウスの角膜でのネトリン1とShhの発現を免疫組織科学的に検索した。神経麻痺生角膜症モデルマウスでは、角膜上皮でのネトリン1発現が減少していたが、Shh発現はコントロールマウスにおいても弱かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角膜上皮特定的ケラチン12プロモーターを利用したrtTA/K12/CreリコンビナーゼマウスとShh floxマウスとの交配、並びに感覚神経特異的Advillin・CreマウスとShh floxマウスとの交配によるコンデイショナルノックアウトマウス の作成に成功した。付随する免疫組織学的検索なども順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の申請書に記載した研究を順次展開する。作成できているrtTA/K12/CreリコンビナーゼマウスとAdvillin・Cre/Shh floxマウスの個体数を蓄積し、in vivo創傷治癒研究に持ち込む。上皮欠損治癒速度の評価、組織病理、免疫組織科学(輪部マーカーを含む)、BrdU細胞増殖、real-timeRT-PCR、フラットマウントTuj1染色による上皮創傷治癒後の角膜内神経線維の再生の程度の評価などを順次行う。 並行して、(1)頭蓋内三叉神経凝固による神経麻痺生角膜症モデルマウスでのShhペプチド点眼の創傷治癒遅延の改善効果の評価の予備的実験に入る。(2)申請書のin vitoro研究の予備的実験に入る。
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Causes of Carryover |
当初の計画が順調に遂行されているが、advilin-CreマウスのShh感覚神経コンデイショナルノックアウトマウス の出生率が低く、その分in vitro研究が次年度に着手予定としたので、次年度にその経費が必要である。当初の計画の次年度マウス研究は、次年度予算で対応できると思われる。
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