2023 Fiscal Year Annual Research Report
iPS研究から発展した網膜色素変性に対する新規神経変性抑制・神経保護治療の開発
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21K09683
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90265885)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 網膜色素変性 / 網膜 / 失明 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性は、4000~8000人に1人で発症するとされ、遺伝子異常により生じる網膜視細胞もしくは網膜色素上皮細胞の変性であるが、そのメカニズムには不明の点が多い。徐々に進行し、国内失明原因の第2位を占める疾患である。早期に診断が付いても進行を抑制する安定した治療法は世界的に無い。異常遺伝子が明らかになっても、細胞死のメカニズムが不明であるものが多いためである。これまでに開発を試みられた薬剤では、視機能を使わないようにして網膜神経細胞を保護するメカニズムのものがあったが、視機能を使いながら網膜神経細胞を保護したいところである。そこで、申請者らはこれまでに、視物質であるロドプシン異常遺伝子を持つ網膜色素変性患者の体細胞由来の人工多能性細胞(induced-pluripotent stem cell; iPS細胞)を用いて網膜細胞を誘導・培養し、神経保護治療法薬剤の開発に向けた病態メカニズムの解析(疾患iPS研究) を行い報告した(Yoshida, Ozawa, Okano et al. Mol. Brain 2014)。この中で本疾患における小胞体ストレスの病態への関与を明らかにし、それを抑制する薬剤の候補を得た。そこで、本研究ではロドプシン変異を持つ網膜色素変性モデルマウスにおいて候補薬剤による網膜変性抑制効果、すなわち網膜神経細胞の保護 (視機能保護および細胞死抑制) 効果とそのメカニズムの一端を解析した。そして、候補薬剤が視細胞の生存の促進と視機能低下の抑制に役立つこと、その背景メカニズムは小胞体ストレスの抑制である可能性を示した。網膜色素変性のための新規進行抑制治療法の開発につながる結果であった。
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[Journal Article] Systemic lupus erythematosus mimicking retinal migraine: A case report.2023
Author(s)
Tezuka T, Shibata M, Hanaoka H, Izawa Y, Kikuchi T, Fujiwara H, Akino K, Ozawa Y, Lee MJ, Kaneko Y, Nakahara J, Takizawa T.
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Journal Title
Cephalalgia.
Volume: 43(12)
Pages: 1-6
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Associations between fatty acid intake and diabetic retinopathy in a Japanese population.2023
Author(s)
Sasaki M, Yuki K, Hanyuda A, Yamagishi K, Motomura K, Kurihara T, Tomita Y, Mori K, Ozawa N, Ozawa Y, Sawada N, Negishi K, Tsubota K, Tsugane S, Iso H.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 13(1)
Pages: 12903
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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