2021 Fiscal Year Research-status Report
フザリウムによる真菌性角膜炎の重症化におけるマイコトキシンの関与の解明
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21K09691
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
戸所 大輔 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40436324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 庄平 帝京大学, 理工学部, 教授 (80192087)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 真菌性角膜炎 / フザリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
真菌性角膜炎の原因となる真菌(カビ)のなかで最も頻度が高く、しかも重症なのがフザリウムによる角膜炎である。フザリウム角膜炎は、角膜実質の融解を示さない例もあるものの、ときに強い角膜実質融解を示す場合があり、そのような症例は早期に角膜穿孔に至るためとくに予後が悪い。このようにフザリウム角膜炎の重症度にバリエーションがあることは宿主側の要因だけでは説明できない。フザリウム角膜炎におけるフザリウムの分泌性因子の関与を明らかにすることが本研究の目的である。 角膜炎を起こすフザリウム属真菌のなかで最も重要な菌種はFusarium solaniである。文献的考察の結果からフザリウム属のマイコトキシンのうち、フモニシンが最も角膜炎の重症化に関与している可能性があることが報告されていた。我々はF. solaniの臨床分離株を対象にフモニシン産生遺伝子の有無をPCR法で検索したが、F. solaniはフモニシン産生遺伝子群を持たず、フモニシンを産生しないと考えられた。次年度以降はフモニシン以外のマイコトキシンも対象とし、F. solaniの産生する分泌性因子について広く検索を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、検討するマイコトキシンの第一候補としていたフモニシンは、F. solaniによって産生されないことが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
フモニシン以外のマイコトキシンも対象とし、F. solaniの産生する分泌性因子について広く検索を進めていく。
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Causes of Carryover |
予定より進捗が遅れていることから、消耗品の使用が想定より少なかったため。
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