2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09694
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
林 篤志 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20283773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 淑子 富山大学, 医学部, 客員教授 (00171421)
荒井 健一 富山大学, 医学部, 客員助教 (40752960)
大塚 光哉 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60868298)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 虚血再灌流 / 網膜 / 水素ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜虚血再灌流障害を抑制する臨床応用可能な治療の選択肢として水素ガス吸入療法を行うために動物モデルを用いて水素ガスの再灌流障害の抑制効果を検討した。水素ガスは人体に無害であることが証明されており、本研究で網膜障害の抑制効果を認めれば、網膜に対しての初めての治療となり、臨床応用への基礎データを提供できる。 検討項目としてラットを用いて網膜虚血再灌流後、3日後、7日後について組織学的に水素ガス効果を網膜厚の測定し、虚血で誘導される核内因子やサイトカインなどのタンパクレベルでの網羅的解析およびそれらの遺伝子発現解析を行う。 ラットを用いて網膜虚血を90分作成し、再灌流後3日後、7日後のラット網膜内層(内境界膜から外網状層まで)の厚みの測定結果では、それぞれ85.9±6.3μm,60.8±6.7μmとコントロールの109.2±10.7μm と比較して菲薄化がみられた。一方で90分の虚血作成時に同時に2%の水素ガス吸入を行った群では、3日後、7日後のラット網膜内層の厚みはそれぞれ102.3±23.6μm, 107.2±16.0μmとコントロールと比較して差はみられず、水素ガス吸入により網膜保護作用があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 当初の計画通り、網膜虚血再灌流障害を抑制する臨床応用可能な治療の選択肢として水素ガス吸入療法を行うためにラット動物モデルを用いて水素ガスの再灌流 障害の抑制効果を検討する。検討項目として網膜虚血再灌流後、3日後、7日後について組織学的に水素ガス効果を網膜厚の測定、網膜内活性酸素の可視化、虚血 で誘導される核内因子やサイトカインなのどの免疫染色および遺伝子発現解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きラットの虚血再灌流モデルの虚血時間を90分として研究を進める。2%水素吸入の開始を虚血作成時から行う群と虚血後に再灌流開始から開始する群を作成する。網膜虚血後の再灌流の確認は検眼鏡的に行う。2%水素ガスは非可燃性の濃度である。 網膜厚および免疫染色による検討、網膜虚血再灌流障害を作成後、パラフィン切片を作成し、HE染色し、乳頭縁から同じ距離での網膜全層と内層の厚みを評価する。虚血再灌流障害で変動するサイトカインをタンパクレベルで網羅的に解析し、遺伝子発現も調べる。また、虚血再灌流障害作成後のプロテオミクスも検討する。
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Causes of Carryover |
予定より経費が安く収まったため次年度で使用したいと思います。
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