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2022 Fiscal Year Research-status Report

緑内障術後創傷治癒におけるエピゲノム変化とメモリー効果に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K09703
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

井上 俊洋  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 みゆき  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 医学教育部研究員 (20631766)
藤本 智和  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50756426)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords緑内障 / 創傷治癒 / エピゲノム
Outline of Annual Research Achievements

マイトマイシンCを併用しないウサギ濾過手術モデルと併用したin vivoモデルで遺伝子発現を網羅的に比較する目的でRNAシークエンスを行った。術後3時間のデータでは、17014遺伝子のうち、発現変化に有意差のあった遺伝子は2834個であった。このうちエピゲノム因子では、KDM4C、HDAC5、HDAC6、HDAC8、HDAC11、SMYD3、SIRT5、DNMT1、DNMT3Aの発現低下をみとめた。一方、培養結膜線維芽細胞にマイトマイシンC処理の有無で同様に比較したin vitroモデルでは、3時間後のデータでKDM4B、KDM4C、KMT2C、HDAC3の有意な低下をみとめた。以上から、共通する因子としてKDM4Cを同定し、その基質の一つであるトリメチル化H3K9をターゲットとして解析を進めた。下流因子の候補を検索するために、結膜線維芽細胞を用いたin vitroモデルで、マイトマイシンC処理3日後のRNAシークエンスを行った。この結果に対してKEGGパスウェイ解析を行ったところ、DNA replicationとCell CycleがTop2であった。3日後に変動していたCell Cycleの遺伝子のうち、c-Myc、CCNA1、CCNA2のプロモーター領域にプライマーを設定し、抗メチル化H3K9抗体を用いてChIP-qPCRを行ったところ、マイトマイシンC処理後にシグナルが上昇する傾向を認めた。以上の結果から、マイトマイシンC処理によって、結膜線維芽細胞において細胞周期を正に制御する遺伝子のプロモーター領域においてH3K9のメチル化が亢進し、結果としてその遺伝子発現が低下していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウサギを用いた濾過手術のin vivo動物モデルにおいて、RNAシークエンスデータ解析を行うとともに、培養結膜細胞を用いたin vitroモデルでも同様にRNAシークエンスデータを取得し、ターゲット分子を絞り込むことができた。さらに、マイトマイシンCの有無による網羅的遺伝子発現の比較解析を行った結果、in vivoモデルとin vitroモデルで共通したエピゲノム因子としてKDM4Cを同定し、下流の因子としてChIP-qPCRを用いて細胞周期関連遺伝子の解析に着手できた。よって、2年目として、順調に進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

in vivoモデルとin vitroモデルで共通したエピゲノム因子であるKDM4Cについての解析を進める。KDM4Cの基質である抗トリメチルH3K9抗体を用いたChIP-qPCRにおいて、未解析であるCCNB1, CCNE1, CCNF, CDK1, CDK2のプロモーター領域の変化を解析する。また、抗KDM4C抗体を用いたChIP-qPCRも試みる。さらに、siRNAや阻害剤(QC6352など)を用いてKDM4Cを阻害し、下流遺伝子発現、細胞増殖に変化があるか検証する。また、濾過手術の動物モデルにおいて、シングルセルRNAシークエンス解析を行い、各種細胞における遺伝子発現の変動を調べ、臨床においてメモリー効果を担う細胞を線維芽細胞以外も対象に検討し、ファイブロサイトを含めた創傷治癒への関与について、次のステップの検証に繋げる。

Causes of Carryover

試薬の値段が見込みより安かったため85,945円の差額となった。この額を見込んで計画的に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Tissue Reactivity to, and Stability of, Glaucoma Drainage Device Materials Placed Under Rabbit Conjunctiva2022

    • Author(s)
      Kenichi Nakamura, Tomokazu Fujimoto, Miho Okada, Kentaro Maki, Atsushi Shimazaki, Masatomo Kato, Toshihiro Inoue
    • Journal Title

      Translational Vision Science and Technology

      Volume: 11 Pages: 9-9

    • DOI

      10.1167/tvst.11.4.9

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Elevated soluble vascular endothelial growth factor receptor levels in aqueous humor from patients with different types of glaucoma.2022

    • Author(s)
      Kenichi Nakamura, Sachi Kojima, Miyuki Inoue-Mochita, Hidenobu Tanihara, Toshihiro Inoue
    • Journal Title

      Experimental Eye Research

      Volume: 223 Pages: 109204-109204

    • DOI

      10.1016/j.exer.2022.109204

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] シュレム管内皮細胞におけるTGF-β2誘発EndMT様変化に対するROCK阻害剤の影響2022

    • Author(s)
      藤本智和, 井上みゆき, 井上俊洋
    • Organizer
      第126回日本眼科学会総会
  • [Presentation] 新しい濾過手術用デバイスの可能性.2022

    • Author(s)
      井上俊洋
    • Organizer
      第33回日本緑内障学会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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