2022 Fiscal Year Research-status Report
加齢黄斑変性における「網膜色素上皮-ブルッフ膜」メンテナンスの解明
Project/Area Number |
21K09705
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 亜紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60405157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 力 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00324632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RPEスフェロイド / アミロイド関連タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
In vitroにおいては2021年度に引き続いて、ドイツアイバンクからの細胞提供、企業からのprimary RPEの購入ができなかったため、ヒトテロメア逆転写酵素(hTERT; Human Telomerase Reverse Transcriptase)遺伝子を初代培養細胞に導入して作製したRPE使用して、スフェロイド作成、研究を継続した。免疫染色においてはコラーゲンやエラスチンなどに続き、apoリポタンパクの染色が可能であったが、アミロイド前駆タンパクやアミロイドの染色は困難であった。現在条件を変えて継続中である。またタイムラプス撮影において、詳細に撮影する時間を変更させて、リポタンパク排出やドルーゼン形成の瞬間をとらえられないか観察した。現在撮影に至っておらず、継続中である。併せて、スフェロイドにストレスを与えた時の変化を観察するために、24~48時間程度で安定したスフェロイドとなるよう、条件を再検討した。
In vivoにおいては、長寿医学研究所/神経病理研究所に保存されている高齢者の眼球固定標本の免疫染色を行った。固定標本については、アミロイド前駆タンパクは染色可能であったがTauタンパク、アミロイドβの染色はできなかった。賦活化の条件を変更するなどして継続中である。凍結標本については、アミロイド前駆タンパクのみでなくアミロイドβ、Tauタンパクも染色可能であった。しかし、多くの標本の保存状態が悪く、定量は困難であった。固定標本において、ドルーゼンを含む切片の有無を確認したが、見つけることは困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroにおいては引き続き、、ヒトテロメア逆転写酵素(hTERT; Human Telomerase Reverse Transcriptase)遺伝子導入RPEを使用する必要があったため、スフェロイド形成や、免疫染色の過程において条件の再設定が必要な部分があった。またアミロイド関連タンパクの発現量がたんぱく質によって異なったため、同じ条件での染色が困難であった。
In vivoにおいては、長寿医学研究所/神経病理研究所に保存されている固定標本の賦活化がやはり困難であった。凍結切片においては、免疫染色での評価は可能であったが保存状態が網膜の詳細を判断するにはやや不良であった。
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Strategy for Future Research Activity |
RPEスフェロイドとともにRPEシートのタイムラプス撮影も行う。 In vitroにおいて、加齢黄斑変性の原因とされている酸化ストレス(ニコチン、Cocl2、H2O2)あるいは光線暴露などの負荷を与えた状態でスフェロイドおよびシートの形態変化を評価する。またGタンパクおよびブルッフ膜構成成分の発現を評価する。さらにリポタンパク排泄やドルーゼン形成生理機能を検討する。 提供されたヒト網脈絡組織にドルーゼンや異常血管などの異常病変がないかをさぐる。 異常病変があるサンプルとないサンプルで、種々のたんぱく質の免疫染色を行い、相違を検討する。さらに、診療録から、全身疾患や血液検査の結果を抽出し関連性を評価する。
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Causes of Carryover |
in vivo, in vitroの研究ともに、条件の安定化に時間がかかり、実際に各種拮抗薬、阻害薬あるいはストレス負荷をかけた状態での研究にまで到達しなかったため、次年度使用額が生じた。
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