2023 Fiscal Year Annual Research Report
Constrction and analysis of limbal niche in the corneal organoids
Project/Area Number |
21K09708
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60398782)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト角膜上皮の幹細胞はこれまでに角膜中央部で幹細胞に匹敵する細胞の存在は報告されておらず、角膜周辺の輪部に限局し、角膜へ上皮を供給していると考えられている。我々はこれまでに角膜輪部組織から幹細胞と幹細胞を維持する環境であるニッチを分離し、マトリゲルを使ったオルガノイド培養を行うことで輪部機能を維持した長期培養を可能にしてきた。本研究の昨年度までにおいては角膜中央部の上皮でも角膜上皮再生の細胞源として有用であるオルガノイドの作成に成功し、輪部機能不全モデルウサギの輪部に移植を行ったところ、1週間後においてもヒト核を認識する抗体で移植部位に陽性像を検出することができた。本年度においてはさらに解析を行うため、輪部機能不全モデルウサギの輪部に移植した組織のさらなる解析を行った。 輸入角膜の角膜組織をコラゲナーゼ処理し、上皮とその直下周辺組織を回収し、角膜輪部フェノタイプを維持するKGF+Y27632添加培地を用いてマトリゲルで培養した。培養1ヶ月後の形成したオルガノイドを輪部機能不全モデルウサギを作成し、移植後1週間後の組織の解析を行った。 培養1ヶ月後のオルガノイドを輪部機能不全モデルウサギの輪部に移植を行ったところ、1週間後においても昨年度同様にヒト核を認識する抗体で移植部位に陽性像を検出することができた。さらに、角膜上皮のフェノタイプであるケラチン12の発現が移植した部位から角膜へ連続して観察された。また、上皮の基底膜であるコラーゲンタイプIV並びにラミニンの発現がオルガノイド移植部位から角膜へ連続して観察された。 中央角膜から作成したオルガノイドは角膜へ上皮を供給可能であることから、角膜上皮再生の細胞源として有用である可能性が考えられた。
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