2021 Fiscal Year Research-status Report
Optic neuropathy and related to the visual impairment, elucidation of the central nervous factor on retinal ganglion cell death
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21K09722
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高 知愛 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (70314797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 良明 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (40214738)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 眼細胞生物学 / 網膜神経節細胞 / 神経保護薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は視力及び、視野障害に関わる疾患(視神経炎、緑内障)に対する神経保護に有効な治療薬を開発することを究極な目的とし、網膜内の神経細胞(網膜神経節細胞)と中脳(上丘)との様々なシグナルを明らかにしようとする研究であります。 また、中脳だけではなく、網膜内の神経節細胞と他の細胞(グリア細胞など)との相互作用も調べ、神経細胞保護に関連するメカニズムも明らかにしようとする研究でもあります。その為に、まず、今まで行っていた異なる細胞同士の共培養システムを参考にし、網膜神経節細胞と中脳の共培養を試みました。その結果、中脳から分泌される中脳アストロサイト由来神経栄養因子(MANF)がそのシグナルである可能性が示唆されました。その可能性を証明するためにMANFのsiRNAによりノックタウンされた中脳切片との共培養では網膜神経節細胞の神経軸索の伸長が顕著に抑えられることが明らかになりました。しかも、MANFのノックタウンされた中脳との共培養の網膜神経節細胞では明らかに細胞死が増加していることも確認されました。この様な結果から、ストレスなどによる網膜神経節細胞のダメージ、細胞死などに中脳からのシグナル、MANFが網膜神経節細胞の神経保護、細胞の生存に重要な働きをしていることが示唆されました。今後は、さらにグリア細胞との共培養系を確率させて、グリア細胞からの神経保護に関連する因子も究明し、更なる新しい治療薬の開発への基盤を提供できる様になると期待されます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は現在までおおむね達成できていると評価できると考えられます。 その根拠としては、まず、申請時、初年度の研究計画である網膜神経節細胞と異なる組織、細胞である中脳との共培養システムの確立に関して、そのmethodに用いるフィルター(pore membrane)での中脳培養に成功し、さらに、そのフィルターでの中脳と網膜神経節細胞との共培養も成功しています。その結果を学会発表、論文などで報告しています。その培養の条件から、今後もっと複雑な生体内に近い環境での共培養ができると考えています。従って、この研究は当初の計画通りに進行できていると考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進み方としては、まず、今まで得られた結果を元にさらに、共培養系を工夫、応用し、網膜神経節細胞とグリア細胞など、網膜内の様々な他の細胞との共培養系を確立させて、in vitroでの網膜神経の構築モデルを確立させ、様々な状況、病態に対するメカニズムを解明できる実験系を作っていきたいと思っています。そうすることによって、この研究の本来の目的である神経保護に作用する治療薬開発に貢献したいと考えています。さらに、今までの研究で明らかになってきた中脳からの神経保護因子と他の細胞、グリア細胞などからの神経保護因子との関連、共通のメカニズムも明らかにできる研究方針で進めていきたいと考えています。
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Causes of Carryover |
次年度はこの研究の続きとして、さらに様々な培養法の確立の為に各種の細胞の初代培養を用いた共培養実験を行わなければならなくなります。そこで、多少の追加実験が必要になったため、その培養に用いる異なる新たな実験器具購入に必要と考え、次年度の研究費として申請しています。 (使用計画) 次年度も最も生体内に近い共培養システムの確立のため、様々な新たに開発されている培養器具(transwellなど)の購入の為に使用したいと考えています。
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Research Products
(5 results)