2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒト網膜オルガノイドとマイクログリア共培養系を用いた糖尿病網膜症メカニズムの解明
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21K09727
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大内 亜由美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80645664)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 網膜3次元培養 / マイクログリア / 糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年われわれが確立したヒトiPS細胞由来網膜オルガノイドとヒトiPS細胞由来マイクログリア前駆細胞を共培養し作成した新規共培養モデルを用いて、培養条件に様々な刺激を加えることで、糖尿病網膜症環境を模倣し、シングルRNAシークエンシング解析を行うことで、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアとニューロンの相関を解析した。 まず、HIF-PH阻害剤であるDimethyloxalylglycine (DMOG)を培養液に添加し、マイクログリアを含むオルガノイドと含まないオルガノイドでの虚血網膜環境におけるマイクログリア・神経相関を検討した。その結果、マイクログリアが共培養されている網膜オルガノイドとマイクログリアを含まない網膜オルガノイドでは網膜ニューロンにおける病態にかかわる様々な遺伝子の発現に差があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シングル細胞RNAシークエンシング解析に向けた条件検討、調整に予定以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
シングル細胞RNAシークエンシング解析の結果から、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアとニューロンの相関に関してバイオインフォマティクスを用いて解析し、糖尿病網膜症の病態に大きく影響する神経グリアユニットの機序解明、および神経保護、または障害に働くマイクログリアの極性分子に関して治療ターゲットとして応用を目指していく。
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Causes of Carryover |
実験がおくれたため、バイオインフォマティクス解析に必要な経費が次年度に持ち越された。
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