2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of mechanisms of photophobia and dynamic range of human lightness perception in the brain
Project/Area Number |
21K09729
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀口 浩史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90385360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 将彦 山口大学, 時間学研究所, 講師 (50772357)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 羞明 / 心理物理学 / 神経画像法 / 脳内メカニズム / 明るさ感覚のダイナミックレンジ |
Outline of Annual Research Achievements |
羞明は直接的な治療が不可能である。理由の1つとしては、脳内での発生メカニズムが不明であるということが挙げられる。先行研究より、明るさ感覚のダイナミックレンジ(DRL)が眼疾患によって異常をきたすことが,羞明発生の要因の1つであると仮説を立てた。明るさ感覚を最適化するDRLの順応は、眼から視覚皮質におよぶ視覚系全体によって処理されている。本研究は心理物理学的計測と神経画像法を組み合わせて、DRLの順応と羞明の脳内メカニズムを解明することを目的とする。本研究の成果は、機序が不明であった羞明の科学的理解を深めて、羞明の直接的な治療の一助となることが期待できる. 本年度は、コロナ禍で引きつづき視覚正常者を対象とした基礎実験が厳しい中、本年度は、中心視野と周辺視野との関連性の破綻している患者で羞明が多く生じていることから、正常被験者・病的羞明患者に対して外来で簡便に計測可能な機器を作成した。本機器により計測された心理物理学的にに計測された羞明の閾値と視野の関連性から、羞明に関する新たな知見が得られると考えられる。 また、病的羞明を伴い局所麻酔下の手術方法では対応できなかった網膜剥離の患者に対して、低輝度で手術可能なヘッドアップサージャリーシステムを用いることで手術可能となった症例に関する報告を国際誌に発表した。羞明を惹起しやすい眼疾患である緑内障により変性した神経基盤、特に視路(視神経・視放線)を対象とした神経画像法による評価を行い、その結果を国際誌に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理学的手法による羞明閾値計測機器の作成や、また正常被験者と患者群間の視放線などの白質比較など、羞明と関連する研究に関しては、進捗は概ね良好と言える。錯視を用いた視覚刺激による心理物理実験・fMRI実験を計画していたが、コロナウイルス蔓延に対する感染対策を重視する現況により、神経画像法による灰白質の機能評価ができない状況となっている。また、明るさのダイナミックレンジをどのように効率的に計測するか、刺激作成に困難な点が多く、やや遅延していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ流行感染に関しては現況やや安定化してきた状況であるため、視覚刺激の作成に関して共同研究者と共に考案した複数候補を実際に作成して、正常被験者での心理物理実験を速やかに開始する。また、前述した羞明閾値計測器と、周辺視野の変化について臨床データを継続して収集していく。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延による研究遅延のため、特に旅費などの予定通りの予算使用が不可能であり、次年度使用額が生じた。取得したデータを解析するための機器購入や、論文投稿にかかわる諸費用として、次年度使用額を使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)