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2021 Fiscal Year Research-status Report

Role and clinical application of exosome in corneal transplantation

Research Project

Project/Area Number 21K09730
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

山上 聡  日本大学, 医学部, 教授 (10220245)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 林 孝彦  日本大学, 医学部, 准教授 (20527931)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsエクソソーム / 角膜実質細胞
Outline of Annual Research Achievements

角膜移植術後の拒絶反応制御は角膜移植のドナー角膜の生着に最も重要である。角膜移植後のドナー角膜の抗原認識は、抗原の直接認識・間接認識様式で行われていることは明らかだが、実際にドナー角膜の抗原情報が何によって転送されているかは不明であった。近年細胞間の情報伝達に細胞外小胞の一種であるエクソソームが関与しており、このエクソソームが細胞の変異、腫瘍細胞の免疫寛容性の獲得などに重要な役割を果たしていることが明らかになっている。そこで本研究では、ドナー角膜由来のエクソソームが角膜移植後のシグナル伝達に果たす役割を明らかにすることを目的とした検討を行った。
まずエクソソームの効率のよい回収法を検討した。マウス角膜実質をエクソプラント法で初代培養し、P1細胞を10cmディッシュで培養しコンフルエントの状態で上清を採取し、ポリマー沈殿法、超遠心分離法、表面抗原アフィニティー法、ホスファチジルセリンアフィニティー法でエクソソームの回収を試みた。ホスファチジルセリンアフィニティー法でもっとも回収率、純度とも良好であったので、検討はすべてホスファチジルセリンアフィニティー法で実施することとした。
次に混合リンパ球培養試験でエクソソームによる感作が成立するか否かを検討した。BALB/c の脾細胞を溶血しシングルセル作製し、1well当たり500000のBALB/cの脾細胞を用意した。C57BL/6の培養角膜実質細胞のウエルにBALB/c由来の脾細胞を混合したものをコントロールとし、あらかじめC57BL/6由来培養角膜実質由来エクソソーム添加したものと、XTT細胞増殖アッセイで細胞増殖能の違いを検討した。結果としてエクソソームを反応させた群で有意に強い細胞増殖反応を示したことから、エクソソームが細胞の感作に貢献していることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

エクソソームの効率のよい回収法を検討し,ホスファチジルセリンアフィニティー法でもっとも回収率、純度とも良好であることが明らかとなり、研究の基本的な内容が決まった。また混合リンパ球培養試験を行なって角膜実質由来のエクソソームが細胞増殖能を高めることから、in vitroにおいて角膜移植の抗原提示にエクソソームが関与する可能性のあることから、次にinvivo研究を実施する理論的支柱が得られた。これらのことから研究は概ね順調に進展しているといえると考えている。

Strategy for Future Research Activity

初年度の研究により細胞レベルでエクソソームを認識し、感作が成立していることをホストの脾細胞、培養角膜実質細胞、培養角膜実質細胞を用いた検討で明らかとなった。しかしながらここまでの検討では、実際にエクソソームがin vivoで角膜移植の免疫反応に関わっているか否かは不明である。エクソソームをブロックする検討を行うことができれば、そのまま臨床応用可能な治療法の検討となるが、現時点ではエクソソームを完全にブロックする方法が確立されていない。そこでまずエクソソームによる感作が拒絶反応を促進しているか否かを検討する方針とした。具体的には、培養したドナー角膜由来エクソソームを採取する。組織適合抗原完全不適合のドナー角膜をホストBALB/cマウスへ移植する。ここでドナー角膜由来エクソソームと基剤をホストマウスに結膜下注射を行い予後の違いを検討する。もう一つコントロールとして同種同系移植をおこなったホストマウスにもエクソソームの結膜下注射を行い、角膜の移植の予後を検討する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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