2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation on pathophysiology of immune-mediated dry eye disease by depleting senolytic reagents
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21K09752
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 葉子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30160774)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドライアイ / 眼移植片対宿主病 / 造血幹細胞移植 / 眼免疫 / 老化細胞 / 間葉系細胞 / マクロファージ / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性GVHD における老化T細胞,間葉系細胞の特定、局在、動態の解明をめざして2021年度研究に着手し、遂行した。 全骨髄細胞移植 (ドナーB10.D2 マウス,レシピエント BALB/c マウス)を標準の移植として 、ヒトGVHD に酷似した病態を作成した。骨髄幹細胞の幹細胞老化と 眼GVHD の発症および進展との関連を調べるために骨髄から間葉系幹細胞 (MSC), 造血幹細胞 (HSC)をフローサイトメトリーで単離して移植し、経時的に涙腺、角結膜、マイボーム腺をはじめGVHD各標的臓器でのT 細胞および間葉系細胞の老化マーカーp16 の発現を免疫蛍光染色、FACS及び定量PCRにて移植後4週時に検討し涙腺、マイボーム腺に老化マーカーを発現する免疫担当細胞を見出した。ドナーマウスに GFP マウスを用いて MSC の浸潤経路と局在を検討し、GFP陽性細胞がGVHD標的臓器炎症部位に生着していることを確認した。GVHD標的臓器の幹細胞由来老化細胞の局在と浸潤経路及び時期を対照と比較して移植後4週時には多数のGFP陽性ドナー由来細胞を病変部に確認した。 老化細胞除去剤 (ABT-263) 投与によりGVHDマウス涙腺の線維化がABT-263の投与群において基剤投与群に比して容量依存的に 単位面積あたりの線維化面積の減少を認め、涙液が増加した。ABT-263の投与量については25mg/kgが至適量であることが判明した。ABT-263の投与群において基剤投与群に比して制御性T細胞を維持して、炎症と線維化を抑制していた。第125回日本眼科学会総会 シンポジウム、和文および英文総説として依頼を受け報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
教室内で教授継承があり、申請者の研究室(慶應義塾大学医学部 信濃町キャンパス内)の移動があった。新しい環境での実験室環境と実験機器試薬の整備に時間を要した。動物実験センターの大規模な動物飼育室の環境整備も同時に行われ骨髄移植のための放射線照射装置が不安定な状態で実験の結果を得にくい状況となった。そのため研究の遂行が遅れが生じた。 ダサニチブ+ケルセチンの併用療法をGVHDマウスモデルに投与し、移植後28日目のGVHD各標的臓器におけるSASP 関連分子 (IL-1β, IL-6, IL-8, CXCL1, CXCL9, TGF-β, オステオポンチン) の発現抑制の有無を遺伝子と蛋白レベルで対照薬投与群と比較検討することに着手している。2022年度は、6月より安定した放射線照射装置が戻るため実験を複数回施行可能となる。骨髄から間葉系幹細胞 (MSC), 造血幹細胞 (HSC)をフローサイトメトリーで単離して移植し、経時的に涙腺、角結膜、マイボム腺をはじめ各GVHD各標的臓器でのT 細胞および間葉系細胞における老化マーカーp16 の発現を検討する。ドナーマウスに GFP マウスを用いて HSC と MSC の浸潤経路をを用いて調べている。移植後のMSC、HSC のテロメア短縮の有無をgenomic DNAを用いて計測中である。各標的臓器のミトコンドリアの変化を電子顕微鏡にて観察する。T細胞、および間葉系細胞の活性酸素種、老化マーカーp16, p21, DNA 損傷マーカー53BP1とγ-H2Axの存在の有無を各種抗体とプローブを用い免疫染色及び定量PCRにて調べている。GVHD涙腺、眼表面におけるオステオポンチンの発現老化する老化CD153+T細胞の関連性について検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1) SASP 分泌細胞の細胞源の解明 マウスドナーおよびレシピエントのマクロファージ、T 細胞、B 細胞、樹状細胞、間葉系幹細胞をMACS beadsおよびFASCS を用いて単離して単培養、または前記各細胞を組み合わせて共培養し、培養上清を ELISA にて SASP 関連主要サイトカインとケモカイン (IL-1β, IL-6, IL-8, CXCL1, CXCL9, TGF-β, オステオポンチン) の培養上清中の濃度を対照と比較し SASP 産生細胞を検討する。単離した細胞は細胞染色、免疫ブロット、PCRを用い、SASP因子、老化マーカーの発現を遺伝子、蛋白レベルで検討する。主に免疫老化にかかわるT細胞を中心に検証をすすめていく。 4) 老化細胞除去薬 による病態抑制の検証 近年加齢性疾患に対して有効性が報告されている選択的老化細胞除去薬 (a. 抗アポトーシスタンパク質 BCL-2 および BCL-xL の特異的阻害剤ABT-263、b.ダサニチブ+ケルセチンの併用療法) をGVHDマウスモデルに投与し、移植後28日目のGVHD各標的臓器におけるSASP 関連分子 (IL-1β, IL-6, CXCL1, CXCL9, TGF-β, オステオポンチン) の発現抑制の有無を遺伝子と蛋白レベルで対照薬投与群と比較検討する。 ケルセチン、ダサニチブの併用療法、投与方法、投与量、投与期間の最適化を検証する。臨床応用へむけて、骨髄抑制の有無を確認する。両群に必要なマウス数は、骨髄移植の成功率が80%、薬剤投与の成功率が80%とすると各群に18匹ずつ検証予定である。(Sample size estimation for McNemar's test)。最適な投与薬剤、投与時期、投与量、投与方法を検討し前臨床Proof of conceptを得る。
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Causes of Carryover |
教室内で教授継承があり、申請者の研究室(慶應義塾大学医学部 信濃町キャンパス内)の移動があった。新しい環境での実験室環境と実験機器試薬の整備に時間を要した。動物実験センターの大規模な動物飼育室の環境整備も同時に行われ骨髄移植のための放射線装置が不安定な状態で実験の結果を得にくい状況となった。そのため研究の遂行が遅れ次年度への使用額が生じた。 2022年度は、6月より安定した放射線照射装置が戻るため実験を複数回施行可能となる。骨髄から間葉系幹細胞 (MSC), 造血幹細胞 (HSC)をフローサイトメトリーで単離して移植し、経時的に涙腺、角結膜、マイボム腺をはじめ各GVHD各標的臓器でのT 細胞および間葉系細胞における老化マーカーp16 の発現を検討する。ドナーマウスに GFP マウスを用いて HSC と MSC の浸潤経路をを用いて調べる。移植後のMSC、HSC のテロメア短縮の有無をgenomic DNAを用いて計測する。各標的臓器のミトコンドリアの変化を電子顕微鏡にて観察する。T細胞、および間葉系細胞の活性酸素種、老化マーカーp16, p21, DNA 損傷マーカー53BP1とγ-H2Axの存在の有無を各種抗体とプローブを用い免疫染色及び定量PCRにて調べる。GVHD涙腺、眼表面におけるオステオポンチンの発現老化する老化CD153+T細胞の関連性について検討を深める予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] National Institutes of Health Consensus Development Project on Criteria for Clinical Trials in Chronic Graft-versus-Host Disease: IIa. The 2020 Clinical Implementation and Early Diagnosis Working Group Report.2021
Author(s)
Kitko CL, Pidala J, Schoemans HM, Lawitschka A, Flowers ME, Cowen EW, Tkaczyk E, Farhadfar N, Jain S, Steven P, Luo ZK, Ogawa Y, Stern M, Yanik GA, Cuvelier GDE, Cheng GS, Holtan SG, Schultz KR, Martin PJ, Lee SJ, Pavletic SZ, Wolff D, Paczesny S, Blazar BR, Sarantopoulos S, Socie G, Greinix H, Cutler C:
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Journal Title
Transplant Cell Ther
Volume: 27
Pages: 545-557
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] National Institutes of Health Consensus Development Project on Criteria for Clinical Trials in Chronic Graft-versus-Host Disease: IV. The 2020 Highly morbid forms report.2021
Author(s)
Wolff D, ---, Jain S, Ogawa Y, Steven P, Luo ZK, Dietrich-Ntouk, Bilic E, Penack O, Griffith LM, Cowden M, Martin PJ, Greinix HT, Sarantopoulos S, Socie G, Blazar BR, ------, Pavletic SZ, Lee SJ, Paczesny S.
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Journal Title
Transplant Cell Ther
Volume: 27
Pages: 817-835
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Positive Effects of Oral Antibiotic Administration in Murine Chronic Graft-Versus-Host Disease.2021
Author(s)
Sato S, Shimizu E, He J, Ogawa M, Asai K, Yazu H, Rusch R, Yamane M, Yang F, Fukuda S, Kawakami Y, Tsubota K, Ogawa Y.
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Journal Title
Int J Mol Sci
Volume: 22
Pages: 374
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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