2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation on pathophysiology of immune-mediated dry eye disease by depleting senolytic reagents
Project/Area Number |
21K09752
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 葉子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30160774)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ドライアイ / 移植片対宿主病 / 造血幹細胞移植 / 眼免疫 / 老化細胞 / 間葉系細胞 / マクロファージ / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
GVHDマウスモデルにおける老化関連分泌形質(Senecence-associated secretory phenotype;SASP)を分泌するの老化細胞の細胞源の解明を目標としてGVHDマウスモデルのマクロファージ、T 細胞、B 細胞、樹状細胞について、フルオサイトメトリーを用いて老化細胞マーカーを組み合わせて主にフルオロサイトメトリーによる解析をコントロールと比較し研究を遂行した。骨髄移植の要である放射線照射装置の不具合により一時実験の遂行に遅れを生じたが2022年7月より装置が安定し、その後は順調に遂行することができた。その結果、GVHDマウスモデルにおいてはCD153陽性PD-1陽性T細胞がコントロールに比較して著明に増加していた。B細胞についても検討を行い、GVHDマウスモデルの末梢血においてコントロールに比較して有意に老化B細胞が増加していることを見出した。これらの変化をGVHDマウスモデルで経時的に移植前、移植後2週後、3週後、4週後、5週後と検討し、GVHDとコントロールマウスとの間に、有意な差を認めるにいたっている。これらの変化とSASPの変化との関連も検討中である。骨髄移植後のGVHDマウスモデルで、T細胞とB細胞両者が老化していることを見出した。樹状細胞についてはまだ検討が不十分であり、有意な差を認めるまでにはいたっていない。
ファイブロサイトについてはT細胞、B細胞との共培養を目標に涙腺、マイボーム腺からの培養細胞の樹立を試みた。マイボーム腺からの培養細胞では継代培養に成功している。今後老化T細胞、B細胞とファイブロサイトとの共培養から病的関連因子をSASPとの関連を含めて特定していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度 最初の3か月間、骨髄移植に必要な大型機器である放射線照射装置に不具合が生じて修理が必要となった。そのあいだの骨髄移植が行えなかったため研究の遂行に遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
老化細胞除去薬 による病態抑制の検証 (2023年度) 近年加齢性疾患に対して有効性が報告されている選択的老化細胞除去薬 (① 抗アポトーシスタンパク質 BCL-2 および BCL-xL の特異的阻害剤であるABT-263、②ダサニチブ+ケルセチンの併用療法) をGVHDマウスモデルに投与し、移植後28日目のGVHD各標的臓器におけるSASP 関連分子 (IL-1β, IL-6, IL-8, CXCL1, CXCL9, TGF-β, オステオポンチン) の発現抑制の有無を遺伝子と蛋白レベルで対照薬投与群と比較検討する。老化細胞除去剤 (ABT-263) 投与によりGVHDマウス涙腺の線維化がABT-263の投与により容量依存的に 線維化面積の減少を認め涙液が増加することの再現性を得る。Image J (NIH) を用いて標的臓器の単位面積あたりの線維化面積、炎症細胞浸潤数について検討する。1) ABT-263については25mg/dayが判明しており、制御性T細胞を維持して、炎症と線維化を抑制することが判明しているが 2) ケルセチン、ダサニチブの併用療法、投与方法、投与量、投与期間の最適化を検証する。臨床応用へむけて、骨髄抑制の有無を確認する。2つの方法の老化細胞除去剤の有効性、毒性、副作用の有無、薬物動態をGVHDマウスモデルで検証する。両群に必要なマウス数は、骨髄移植の成功率が80%、薬剤投与の成功率が80%とすると各群に18匹ずつ必要である。( McNemar's test)。最適な投与時期、投与量、投与方法を検討し前臨床Proof ofconceptを得る。臨床応用へむけて倫理委員会申請準備とPMDA事前相談の準備をする。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当該年度(2022年度)に放射線照射装置が安定せずマウスの骨髄移植後のマウスの生存と解析結果が安定するまでに3か月を要した。当該年度の後半は実験を推進できたが、はじめの3か月について研究の推進が遅れたため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、GVHDで増加している老化細胞マーカーとT細胞、B細胞のマーカーを組み合わせてさらなる詳細な特徴見出す予定で、そのための抗体購入に使用予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Eyelid blood vessel and meibomian gland changes in a sclerodermatous chronic GVHD mouse model.2022
Author(s)
Yang F, Hayashi I, Sato S, Saijo-Ban Y, Yamane M, Fukui M, Shimizu E, He J, Shibata S, Mukai S, Asai K, Ogawa M, Lan Y, Zeng Q, Hirakata A, Tsubota K, Ogawa Y.
-
Journal Title
The Ocular Surface
Volume: 26
Pages: 328-341
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
[Journal Article] Multicenter prospective validation study for international chronic ocular graft-versus-host disease consensus diagnostic criteria.2022
Author(s)
Ogawa Y, Dana R, Kim S, Jain S, Rosenblatt MI, Perez VL, Clayton JA, Alves M, Rocha EM, Amparo F, Seo KY, Wang Y, Shen J, Oh JY, Vanathi M, Nair S, Na KS, Riemens A, Sippel K, Soifer M, Wang S, Trindade M, Kim MK, Yoon CH, Yagi R, Hiratsuka R, Ogawa M, Shimizu E, Sato Y, Pflugfelder S, Tsubota K.
-
Journal Title
The Ocular Surface
Volume: 26
Pages: 200-208
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
[Journal Article] A single institute validation study comparing the international chronic ocular graft-versus-host disease consensus group diagnostic criteria with clinical parameters.2022
Author(s)
Hiratsuka R, Shimizu E, Yamane M, Yazu H, Sato S, Fukui M, Mukai S, Uchino M, Kamoi M, Tatematsu Y, Saijo Y, Negishi K, Tsubota K, Ogawa Y.
-
Journal Title
The Ocular Surface
Volume: 24
Pages: 12-14
DOI
Peer Reviewed
-
-
-