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2022 Fiscal Year Research-status Report

次世代型移植用網膜シート作製のための分子基盤の確立

Research Project

Project/Area Number 21K09757
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

増田 智浩  立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (30796496)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsシングルセル解析 / 網膜 / スフェロイド / ES細胞 / Wnt
Outline of Annual Research Achievements

昨年度実施したタイプA~CのスフェロイドのシングルセルRNAseqの解析を引き続き行った。
今年度は特にタイプAとCに注目し、網膜層構造の形成に重要な因子の同定に焦点をあて、解析を行った。タイプAとCのそれぞれについて、全てのタイムポイントのデータを統合し、UMAPを作製したところ、両者は共に網膜色素上皮(RPE)、網膜神経節細胞、二次ニューロン細胞、視細胞前駆細胞、網膜前駆細胞のクラスターから構成されており、構成細胞種に明確な違いは確認できなかった。より詳細に検討するため、ソート直前(Day0)のデータについてタイプAを形成する細胞集団とタイプBおよびCを形成する細胞集団(タイプBとCは同一の細胞集団からソート条件の違いで生まれる)を統合し、比較した結果、特定のクラスターを構成する細胞数に大きな違いを認めた。しかし網膜前駆細胞マーカーであるRXの発現に注目してみると、これらの細胞集団間で明確な差が確認できなかった。このことは分化初期において網膜前駆細胞の割合に両者で大きな差がないことを示唆している。次に移植のタイミングであるDay35において同様の解析を行ったところ、一部のクラスターでタイプAとタイプCの間で細胞数に差があることが確認できた。しかし一方に特異的なクラスターは形成されず、両者が比較的似ていることが示唆された。次にスフェロイドで層構造が形成され始めるDay5と9において解析を行なった。特に網膜前駆細胞に注目し、両者で比較したところ、タイプCで特に細胞数が多いクラスターの存在が明らかになった。そのクラスターを詳細に検討すると、Day5ではWnt2bが、Day9ではWnt5aが特異的に発現していることが示唆された。Wnt経路は網膜の層構造に重要な役割を果たしていることが知られている。また、タイプA、B、Cのスフェロイドを免疫不全網膜変性ラットに移植した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画通りに性質の異なるスフェロイドについてシングルセル解析を行うことが出来た。結果については、特に網膜層構造の形成に重要な因子の同定に関しては、フェノタイプが明確なのに比べ、明確な因子の同定には至っていないが、基本的に同種の細胞における違いを探索しており、その差がクリアにならない可能性は想定内である。その中で、これまでの知見で層構造形成に重要であると知られているWnt経路の因子が、層構造を形成するタイプCにおいて特徴的に見られるクラスターで発現していることが示されたことから、順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

Wnt3b、Wnt5aが層構造を形成に関与することを実験的に示す。具体的にはタイプAを作製し、Day5前後のタイミングでこれらの因子を培地に添加し、タイプCに見られる層構造を形成するかどうかを調べる。また、昨年度に行なったタイプA~Cの移植組織について、電気生理学的反応を確認後、免疫組織化学染色を行い、移植に適したタイプを特定する。

Causes of Carryover

コロナの影響で、当初予定していた海外での学会参加を見合わせたことに加え、細胞培養関連試薬の使用量が想定より少なかったため、使用額が減少した。来年度は自粛していた海外での学会参加に加え、移植組織の評価に係る試験試薬費用が必要となり、最終的には想定していた予算の出費が見込まれている。

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Published: 2023-12-25  

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