2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09758
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 高志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90631573)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 網膜色素上皮 / GPx4 / ノックアウト / 遺伝子導入 / フェロトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に網膜色素上皮(RPE)特異的にCreを発現するアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターを作製して実際にマウスに投与し機能することを確認していた。今年度はGPx4のfloxマウスについてRPE特異的なCre発現AAVベクターを網膜下投与した。対照群にはGPx4のfloxマウスにvehicleのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を網膜下投与した。結果、急速なRPE変性を認めた。変性の特徴として、酸化脂質の蓄積、補体活性化を伴っていた。また、ビタミンEの投与によって変性のフェノタイプはレスキューされた。 従来より酸化脂質の生成が加齢黄斑変性の病態に深く関与していると考えられてきたが、それを直接証明するエビデンスに乏しかった。本研究ではGPx4ノックアウトによってRPEで酸化脂質を生成したところ萎縮型加齢黄斑変性に類似点のある変性が得られており、酸化脂質の病態への関与が直接証明されたこととして重要性が高いと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
RPE特異的にGPx4を欠失させることにより、病的フェノタイプが得られた。研究報告としてまとめる準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
・GPx4ノックアウトによるRPE変性がフェロトーシスで説明可能か、各種阻害剤によるレスキュー実験を行ってメカニズムの解析を行いたい。 ・論文として発表する。
|
Causes of Carryover |
研究が想定以上に順調に進捗しており、研究作業としては最終段階となっているため、次年度使用額が生じた。早めに研究をまとめる作業に入り、研究成果として発表を行う準備を進める。
|