2021 Fiscal Year Research-status Report
体外潅流法を用いた遊離皮弁モデルと無細胞真皮マトリックスを用いた人工脂肪弁の開発
Project/Area Number |
21K09760
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
飯田 拓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00398603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 幸司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40612601)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 無細胞真皮マトリックス / 脂肪由来幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト脂肪組織由来幹細胞(hASCs)の単離および培養は、倫理委員会の承認の上で、まず脂肪吸引手術で得られたヒト脂肪組織片を酵素処理して細胞(SVFC)を回収・播種して培養開始した。培地はDMEM supplemented with 15% FBSを用いた。一週間後に継代し、更に一週間後にsub-confluent状態の細胞(ASC-p1)を回収して実験に使用した。無細胞真皮マトリックス(ADM)は手術時に廃棄される余剰皮膚を用いて無細胞真皮マトリックスを作成の予定であったが倫理委員会の承認に時間を要することが見込まれたためアメリカからAlloderm(アラガン社製ヒト無細胞真皮マトリックス)を輸入して使用した。Allodermを1x1cmのサイズに分割して12 wellプレートに入れ、上記で得られた細胞懸濁液(200万個/300μL)を入れ、37℃でインキュベート(懸濁液はDMEM supplemented with 15% FBSを使用)した。これを48時時間培養し、観察を行った。初回実験では細胞がうまく接着しなかったが、条件を変えADMに播種したASC細胞が接着していることが光学顕微鏡上で確認できた。ADM表皮側と真皮側で生着の所見が異なり、明らかに真皮側で細胞の接着が多く見られた。今後電子顕微鏡で評価を行う予定である。 人工皮弁潅流装置の開発に関しては、高砂電気工業とミーティングを行い灌流装置の作成に関して検討を行った。条件はポンプ(吐出量14-1100μl/min)、チューブ(シリコン製、径1x2mm)、流量(1ml/min)で皮弁灌流できるようなシステムのデザインを作成した。今後実際の作成を進めたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初めて行う培養実験であったため、当初はうまくASCが生着しなかったが、その後の調整によりうまく生着するようになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ASC+ADMに関しては電子顕微鏡を用いてASC生着の状況を確認する予定である。また高精度の3Dプリンター(システムクリエイト社製Bellulo400)が常時使用できる環境が整ったことから、本研究における本機器の活用も検討している。
|
Causes of Carryover |
灌流培養器に関しては現在設計途上であることや、コロナの影響で学会への参加が困難であったことから次年度使用額が生じた。次年度は細胞培養に加えて、機器の開発を進めたいと考えている。
|