2021 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋形態に対する一般化容易な定量的解析法の確立と日本人小児における標準値の作成
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21K09767
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
妹尾 貴矢 岡山大学, 大学病院, 助教 (90509465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒越 翔 岡山大学, 大学病院, 医員 (00896532)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭蓋形態 / 定量的形態評価 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
当施設にて撮影された小児を対象とした頭部CT及び頭部MRI画像を検索し、小児の正常頭蓋群として、成長障害を及ぼす全身疾患および頭蓋内腫瘍、発達障害などを除外した小児正常頭蓋画像データーベースを構築した。現在までに2010年1月以降のデータ蓄積にて小児(0-6歳)487名を達成しており研究期間中に500名を超える見込みである。 また頭蓋の正中矢状面および水平面それぞれにおける、頭蓋骨外板の形態を計測するプログラムを開発した。計測プログラムは、既に用手的手法として確立されたMid sagittal vector analysis(MSVA)および当施設にて開発したHorizontal vector analysis(HoVA)を機械的に計測するものであり、これに対して、従来の用手的計測値(検者間誤差、検者内誤差それぞれ1mm未満)と比較検証を行った。標準的な頭蓋形態を対象とした計測数値の検者間誤差および検者内誤差については用手的計測と同程度の精度が得られることを確認した。 一方で、正常形態と異なる病的変形、頭血腫、術後の骨欠損、人工物の挿入、浮腫等による頭皮厚の増大などの異常を有する頭蓋の形態計測においては、従来の用手的測定との乖離が許容を超える問題が確認された。 そのため頭蓋形態の正常異常に関係なくユニバーサルに使用可能な様、改めて測定アルゴリズムの変更を含めたプログラムの修正を行い、動作を検証中である。 またMSVA、HoVA自体の測定基準面定義についても、斜頭症などの左右対称性が大きく損なわれた形態に対しては測定面が安定しないため、補足的な定義の追加を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像データベースの構築は既に過去の研究で得られた部分に、本研究期間中の追加のデータ蓄積を行っているところであり、収集は順調である。 プログラムを用いた自動計測の開発に於いて、計測平面の面出しの安定性および、計測平面上に生じた骨画像の各種イレギュラー(骨欠損、頭皮の浮腫、プレート等人工物、その他)に計測値が影響される事象を確認しており、プログラム上のバグ修正、および再構築に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラム開発に於いては、従来用手的に計測していた手順そのままを機械的アルゴリズムでトレースする手法で行っていたが、器械的な計算の速さを利用して、測定アルゴリズム自体を変更して、結果的に同等の測定値が得られるように開発方針を変更している。
現在、変更したプログラムは新ヴァージョンが完成しており、動作を検証中である。今後、バグ修正を行って、本格的な計測およびMSVA、HoVAデータベース構築を進める方針である
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Causes of Carryover |
プログラム作成の外注を目的として初年度の費用を計上していたが、実際に依頼費用が高額になる事が予想されたこと、および同時に施設で内製が見込める状況となったため、これを目的に専用のワークステーションを購入した。この差額が次年度使用額が生じた理由である。 今年度以降、頭蓋形態の3次元測定な評価に必要な、計測装置および、立体出力装置等、本研究に必要な追加機材の購入で使用する予定である。
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