2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of injectable adipose tissue ball (iPAT) for establishment of new breast reconstruction method
Project/Area Number |
21K09770
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
素輪 善弘 京都大学, 医学研究科, 講師 (80468264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
松崎 典弥 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00419467)
生駒 和也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50516044)
Louis Fiona 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助教(常勤) (70838523)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳房再建 / 血管内皮細胞 / 凍結保存 / 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.自己脂肪細胞組織由来の血管内皮細胞調整とこれを用いたiPAT作成:ALK5 inhibitorを添加することで血管内皮細胞の獲得効率を検討したところ、無添加群が1.2%の血管内皮細胞を採取できたのに対して、添加群では29.29%に向上した。次にこの 自己脂肪組織由来の血管内皮細胞を用いて、HUVECと同様の手法でiPATを作成したところ、iPATと類似した脂肪組織ボールが作成可能であることを確認した。これまでと同様に、自己細胞由来のiPATをマウスの鼠径部に移植したところ、従来のiPATと同様に生着した。2週間後の移植組織の状態を示す。組織評価では、毛細血管レベルの血管構造が錯綜した脂肪細胞とその基質がみとめられた。
2.iPATsの凍結保存に関しての成果:100個のiPATを2種類の凍結保存培地で冷凍保存し、7および30日後に解凍、再培養したところ良好な凍結保存能を有していることが示された。解凍後7日後に培養した複数のiPATの合体現象がみられた。またインスリン誘導後脂肪酸取り込み、HoechstおよびPIによりiPATの機能とバイアビリティが温存されていることを確認した。
3.プロセスの自動化とスケールアップ、さらに大きなサイズの移植治療:iPATsのスケールアップ化のための大量培養装置が今回の研究目的に不適合であった点に苦労してきた。そのため、新規のバイオリアクターの購入を決め、深く検討した結果回転するバイオリアクターの中で培養血管付きボールを動かしながら球形のiPATを作成できるCellPet 3D-L (J-Tec)を2つ購入した。これによりiPATを量産することが可能となった。同時に、ディスペンサー装置によるバイオプリンティングを配備し、さらに効率、高速に産生効率を向上する工夫を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPATsのスケールアップ化のための大量培養装置が今回の研究目的に不適合であった点に苦労してきた。具体的にはスピナー付き大量培養用フラスコを用いたスケールアップ化したが、スクリューがiPATを損傷させることで、形態が崩れ、従来の積層型iPAT→ミニ乳房(オルガノイド)形成の実現が難しいことが判明した。そのため、これらの改善策の検討に予想外の時間を消費してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
これによって、手動から自動培養システムが構築され、今後iPATの作成のスケールアップ化(プロセスの自動化とスケールアップ、さらに大きなサイズの移植治療)を目指す。令和6年初めまでに京都大学と大阪大学と共同して改良型iPATの安定的作成法の確立、冷凍保存能・機能検討、さらにウサギ・ミニブタへの移植実験を行っていく。 乳癌手術に伴う乳房欠損は少なくとも50cc以上のサイズに至り、100万個レベルの製造が必要になる。 生産効率を向上させるために製造物の大型化・大量製造法の開発が必要と考えており、平行してこれをジェイテックコーポレーションとの共同開発を進めていく。 今後予想以上に多くの内皮細胞が必要となるケースも想定されるため令和5年以内には大阪大学 高倉研と血管内皮幹細胞の活用法を検討する。
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Causes of Carryover |
昨今の国際情勢や新型コロナウィルスの感染による物流の停滞により納期が遅延し2022年度に使用する予定であった助成金に余りが生じた。研究に必要な経費(試薬、実験動物の購入等)に充てる計画である。
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