2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09773
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
和田 仁孝 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10460883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 康裕 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (90869489)
山田 源 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 教授 (80174712)
朝村 真一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20340804)
楠原 廣久 近畿大学, 医学部, 講師 (50388550)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 静脈奇形 / in vitro 微細血管培養 / 血管収縮ー弛緩 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管奇形は血管の異常な形態の形成と拡張を特徴とする先天性疾患であり、形態異常、血栓症、出血、疼痛等を引き起こす。最近の静脈奇形組織の血管内皮細胞に関する研究により静脈奇形患者の半数以上でチロシンキナーゼ受容体TIE2をコードするTEKやPI3-キナーゼのp110αアイソフォームに対応するPIK3CAの変異等が報告されてきている。このような変異報告や関連する静脈奇形の異種移植モデルも報告されつつある。 本研究では、このモデルを改良し静脈奇形の筋肉内異種移植モデル(筋肉内静脈奇形モデル)やその発展的なモデルであるin vitroマウス微細血管系モデルを作成する。微細血管系モデルにおいてはさまざまな異常な形態を有する微細血管の収縮、弛緩に作用する内在因子群、その作用を修飾する薬剤系などの添付の効果を見出し 論文発表を予定している。それらのモデルにおいて血管内皮細胞の周囲組織への影響を明らかにし 内皮と周辺平滑筋、ペリサイトによる効果、血管腫の増悪への効果について種々の条件をin vitroで解析する。 さらにネオジウムヤグレーザーによる組織内照射治療(ILP:Intralesional Laser Therapy)を行い、血管内皮細胞、周囲筋肉組織への影響を明らかにする。 本研究により難治性とされる筋肉内静脈奇形の新たな治療法の開発に貢献することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
静脈奇形患者からの病変内内容液では限定的な症例数のために細胞培養することが困難であった。現在補完的な実験系としてIn vitroマウス微細血管系モデルでの研究も行っている。微細血管からの収縮、弛緩に作用する内在因子群、その作用を修飾するプロスタグランデインなどの複合的薬剤添付の効果を見出した。 血管腫形態異常に伴う、疼痛や生理作用の理解につながると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
静脈奇形患者の検体の収集につとめ、それらからの血管内皮細胞の培養を光学顕微鏡等などで観察、解析を引き続き行う予定である。In vitroマウス微細血管系モデルに於いて、微細血管の収縮、弛緩に作用する内在因子群、その作用を修飾するプロスタグランデイン系を見出した。 狭窄部を含む種々の血管腫の病変部においての収縮、弛緩に作用したり、それらを修飾するプロスタグランデイン系や薬剤系の複合的効果を解析する基盤になると期待される。 また、臨床研究において、レーザーによる病変内照射法での静脈奇形治療を行っており、局在、病変のタイプにより治療効果が異なることが分かり、本法の適応と限界について報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度にin vitroの実験系で使用したいため金額を残した。
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Research Products
(1 results)