2021 Fiscal Year Research-status Report
マウス胎仔皮膚再生過程における線維芽細胞の移動のメカニズムの解析
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21K09778
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鎌田 将史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60815950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40224919)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胎仔 / 皮膚 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮境界部真皮線維芽細胞に発現するtwist2陽性細胞特異的にCreリコンビネースを発現するB6.129X1-Twist2tm1.1(cre)Dor/Jとactinを重合し遊走に関わる葉状仮足を形成する低分子量Gタンパク質であるRacをコードするexon内にlox-P siteを有し、Creレコンビナーゼを発現する細胞でRacをノックアウトすることができるSTOCK Rac1tm1Djk/Jを当研究室で交配させた。妊娠マウスに対して胎仔手術を行うので十分な数のマウスの確保が必要である。並行してICR妊娠13-15日目の妊娠マウスに胎仔手術を施し、直径1mmの円形の皮膚欠損創を作成し、actin cableの形成と細胞膜、核を3重染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。これにより真皮線維芽細胞が、actin cableを形成して創の収縮に働くのか、あるいは細胞遊走により創傷部の閉鎖に働くのかを観察した。また、Rac-1や Rhoなどactin重合に関わる制御因子の発現を免疫染色で確認した。この結果、マウスE13の真皮組織が、actinのネットワークを形成し、全体が収縮するように閉鎖する像が観察された。本研究では、共焦点レーザー顕微鏡の3次元構築を用いて、立体的な組織でのアクチンのメッシュ構造を初めて観察することができた。これにより細胞膜を含めた3次元的な詳細な真皮の形態を撮影し、E13の真皮線維芽細胞の創閉鎖における役割、各細胞ごとのactin 重合に関わる制御因子の発現を立体的に観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に従って、2022年度は、交配させた遺伝子改変マウスを用いて真皮の収縮メカニズムに迫ることを目的とする。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスを増やすことは可能であったが、遺伝子改変マウスを用いた胎仔手術の予備実験には年度を挟んでしまったため。
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