2022 Fiscal Year Research-status Report
Anatomical and Clinical Study to Improve Lymphaticovenular Anastomosis: Analysis of Unknown Anatomy of the Functional Lymphatic Vessels
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21K09781
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
関 征央 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30625249)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / LVA |
Outline of Annual Research Achievements |
四肢リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術は、軽症・中等症の患者における高い治療効果を認め、さらに重症のリンパ浮腫においても一定の治療効果を認める、低侵襲で安全な外科的治療法である。しかし、患者毎で異なるリンパ解剖やリンパ管変性の程度が、治療効果に大きな影響を与えるため、個々の患者における最適な治療部位の選択法やLVA方法論の改良が望まれる。本研究はリンパ管解剖の解明によるリンパ管静脈吻合術の術式発展を目的とする。 本研究の2つの柱である、下記1, 2を同時かつ継続的に行い、2022年度の研究を円滑に行うことができた。 1. 四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究 正常ヒト新鮮死体3体を用いて、四肢を含めた全身のリンパ管とリンパ節を含めたリンパ系の解剖研究を行った。 2.臨床研究(ヒトにおけるリンパ管の構造・解剖学的特徴の解明と、リンパ管機能の解明)四肢のリンパ浮腫患者48名に対し、術前の画像評価によるリンパ浮腫の状態を評価、新たなリンパ路の発見を含めたリンパ管の解剖学的な特徴、リンパ管の構造を解明するための臨床研究を行った。 上記の2つの研究内容によって、本研究の最終目的である、(1)解剖による基礎医学研究で、未だ発見されていないリンパ管ルートを含めたリンパ管解剖の全容解明、(2)臨床研究で生体におけるリンパ動態を解明することで、LVAに有用なリンパ管ルートの発見と有効な治療部位選択法の解明、の2つの目的に向かって、研究データの蓄積を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究では、正常ヒト新鮮死体を用いた解剖研究が必要であるが、コロナ禍により新鮮死体解剖の実施を行えない期間があったため、予定よりも解剖件数が減少しているが、臨床研究は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究、2.臨床研究(ヒトにおけるリンパ管の構造・解剖学的特徴の解明と、リンパ管機能の解明)、を相互作用的に行うことで、リンパ管解剖に基づく、リンパ管静脈吻合術の術式発展を加速させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、新鮮死体を用いた解剖研究の献体数が減少し、使用する予定であった試薬や物品が予定よりも減少したため。次年度に解剖研究が増加し、試薬や物品の使用が増加する見込みであり、次年度の研究に使用する計画である。
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