2023 Fiscal Year Research-status Report
Anatomical and Clinical Study to Improve Lymphaticovenular Anastomosis: Analysis of Unknown Anatomy of the Functional Lymphatic Vessels
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21K09781
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
関 征央 公益財団法人がん研究会, 有明病院 形成外科, 副医長 (30625249)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / LVA / 解剖 |
Outline of Annual Research Achievements |
四肢リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術は、軽症・中等症の患者における高い治療効果を認め、さらに重症のリンパ浮腫においても一定の治療効果を認める、低侵襲で安全な外科的治療法である。しかし、患者毎で異なるリンパ解剖やリンパ管変性の程度が、治療効果に大きな影響を与えるため、個々の患者における最適な治療部位の選択法やLVA方法論の改良が望まれる。本研究はリンパ管解剖の解明によるリンパ管静脈吻合術の術式発展を目的とする。 研究3年目の2023年度も、本研究の2つの柱である、下記1, 2を同時かつ継続的に行い、研究を円滑に行うことができた。 1. 四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究 正常ヒト新鮮死体12肢を用いて、四肢を含めた全身のリンパ管とリンパ節を含めたリンパ系の解剖研究を行った。 2.臨床研究(ヒトにおけるリンパ管の構造・解剖学的特徴の解明と、リンパ管機能の解明)四肢のリンパ浮腫患者59名に対し、術前の画像評価によるリンパ浮腫の状態を評価、新たなリンパ路の発見を含めたリンパ管の解剖学的な特徴、リンパ管の構造を解明するための臨床研究を行った。 上記の2つの研究内容によって、本研究の最終目的である、(1)解剖による基礎医学研究で、未だ発見されていないリンパ管ルートを含めたリンパ管解剖の全容解明、(2)臨床研究で生体におけるリンパ動態を解明することで、LVAに有用なリンパ管ルートの発見と有効な治療部位選択法の解明、の2つの目的に向かって、研究データの蓄積を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究では、正常ヒト新鮮死体を用いた解剖研究、ヒトでの臨床研究、の両者が重要であるが、両者ともに臨床研究は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 四肢を含めた全身のリンパ管に関する解剖学研究、2.臨床研究(ヒトにおけるリンパ管の構造・解剖学的特徴の解明と、リンパ管機能の解明)、を相互作用的に行い、リンパ管解剖に基づく、リンパ管静脈吻合術の術式発展を加速させる
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Causes of Carryover |
研究成果の論文作成にあたり英文校正のための費用を予定していたが、共同研究者の助力により、校正費用が不要となったため次年度使用額が発生した。次年度には、より多くの論文発表を予定しているため、英文校正または論文作成のための費用として、次年度利用する予定である。
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