2021 Fiscal Year Research-status Report
複数の幹細胞由来浄化濃縮培養上清を駆使した糖尿病性難治性潰瘍の新規治療法の開発
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21K09796
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
三戸 那奈子 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (40797057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60210762)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪由来間質幹細胞 / 幹細胞培養上清 / 浄化濃縮幹細胞培養上清 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト脂肪間質幹細胞(human adipose-derived stem cells, hASCs)由来培養上清を用いて、「浄化濃縮工程」を通して、浄化濃縮培養上清による新たな再生治療法の確立を目的とする。 上記目的を達成するため、① 高機能培養上清を回収するための最適なASC培養方法を確立する。② ①の方法で回収した培養上清を「培養上清浄化濃縮工程」を用いて、有害物質除去かつ有用因子濃縮された「浄化濃縮培養上清」を作製する。③ 体外実験にて浄化濃縮培養上清の有効性を確認する。④ 疾患動物モデルを用いて、浄化濃縮培養上清による創傷治癒への有効性と安全性を評価することにより臨床研究用の治療プロトコールを確立する。 今年度は、高機能培養上清回収するための最適な培養方法を確立したとともに、浄化濃縮培養上清は細胞増殖促進能を有することが確認された。 具体的に、低酸素環境(1%O2)と比較して、正常酸素濃度(21%O2)で培養したASCでは、肝細胞増殖増殖因子であるHGFの分泌能が高かったことが確認され、一方、有害物質であるアンモニアの産生は、細胞数及びHGF産生と正の相関を示した。細胞増殖能に関しては、培養上清と比較して浄化濃縮培養上清は明らかにASCの増殖能を促進し、浄化濃縮工程で産生された廃液では細胞増殖を抑制することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、ヒト脂肪由来間質幹細胞(human adipose-derived stromal/stem cells, ASC)の培養に最適な培養条件(酸素濃度、播種細胞密度、培養期間、血清有無)を確立することができた。さらに、体外実験にて浄化濃縮培養上清では細胞増殖促進能を有することが確認され、概ね計画通りに進めていた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、前年度の続きで体外実験にて浄化濃縮培養上清の有効性を検証する。具体的に、浄化濃縮培養上清と新鮮培地をさまざまな割合で混合した培地を用いて、ASCや血管内皮細胞、線維芽細胞等を培養し、血管新生能、免疫調整能について評価する。
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Causes of Carryover |
浄化濃縮培養上清作製するため、メルク社限外濾過装置及びろ過膜を購入する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症のため、濾過膜を購入できておらず未使用額が生じた。
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