2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of peripheral blood-derived epidermal stem cells in diabetic wound repair and its underlying mechanism
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21K09801
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大森 愛 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (60897156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表皮幹細胞 / 糖尿病性潰瘍 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病生潰瘍の多くは難治性であり、特に治療抵抗性のある下腿潰瘍は最終的に切断に至ることが多く下肢切断後の5年生存率は35%前後と予後不良である。既存の皮膚潰瘍治療法として、物理的刺激手段を用いる物理療法(持続陰圧閉鎖療法、熱、光線、極超短波、電気、超音波、振動など)やbFGF投与法があり、これら既存治療法に対して抵抗性がある症例は一定数存在する。 皮膚潰瘍治療の1つとして再生医療に大きな期待が寄せられているが、糖尿病では表皮幹細胞の機能や再生能力が低下するという問題がある。申請者は健常ヒト末梢血から単離した単核球(MNC)を独自開発した生体外増幅培養法を適用することで、表皮幹細胞マーカーの発現(MNC-EK細胞調整)及び創傷移植へ供する方法を考案した。本研究では糖尿病皮膚潰瘍治療のため、創傷における表皮幹細胞の供給源・再生抑制の機序解明を目的とする。健常者および糖尿病患者から採取したMNCからMNC-EK細胞を調整する方法を確立し、それぞれの移植成績を評価することで糖尿病における再生能力低下要因を特定する。本成果により、MNC-EK細胞を用いた糖尿病性潰瘍治療の基盤が確立され、革新的皮膚再生治療法の樹立を目指す。 令和4年度は、MNC-EK細胞の創傷治癒効果を検証した。免疫不全マウスを用いてstroeptozotosin誘導1型糖尿病マウスを作成し、背部皮膚潰瘍を施し糖尿病皮膚潰瘍モデルを作成した。潰瘍部位にMNC-EK細胞を局所投与し、潰瘍縮小率を経時的に観察し潰瘍作成後14日目に潰瘍組織を回収し、皮膚細胞再生時の変化を免疫染色法を用いて解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度実施結果として、MNC-EK細胞を糖尿病性潰瘍モデルマウスへ移植し創傷治癒効果を検証した。その結果、細胞移植後10日目にはControl群(PBS)と比較し有意に潰瘍の縮小が認められた。また、細胞比較として、培養前のMNCも同時に移植しMNC-EK細胞移植群と比較したところ、MNC-EK細胞群はMNC群よりも創傷治癒効果が高かった。 潰瘍組織の免疫染色では、MNC-EK細胞移植群でkeratin陽性細胞を多く検出した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、昨年度の研究成果に基づき、糖尿病潰瘍モデルへ細胞移植したMNC-EK細胞の移植組織内における局在箇所を同定し、移植した細胞が潰瘍組織環境でどのような役割を担っているか探索する。 更に、糖尿病患者由来のMNC-EK細胞でも健常者と同様な細胞が得られるかどうか、糖尿病患者末梢血を用いて検証する。
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