2022 Fiscal Year Research-status Report
慢性創傷とNETs発現の関連の解明とNETsをターゲットにした新規治療の開発
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21K09806
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
今川 孝太郎 東海大学, 医学部, 講師 (50366001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NETs / バトロキソビン / 皮弁虚血再灌流モデル / 難治性皮膚潰瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1.慢性創傷でのNETs発現の検討と2.動物モデルによるバトロキソビンのNETs抑制効果の検証を行うものである。 1.慢性創傷でのNETs発現についての検討 2021年度に虚血性潰瘍、褥瘡4例について壊死部と健常部の境界から組織を採取したものを、NETs発現の確認としてカルプロテクチン(S100A8)染色、ミエロペルオキシダー染色を施行した。肉眼的に炎症の強い症例にNETsの集積が認められ、局所の炎症が強い部位が組織壊死へ伸展する可能性が示唆された。 2.バトロキソビンのNETs抑制効果の検証 動物実験はSD雄性ラット24匹にて検討する予定である。ラットの腹部に5x3cmの浅腹壁動静脈を茎とする皮弁を挙上し、血管茎をクリップで6時間クランプした後に血流を再開させる皮弁虚血再灌流モデルを使用した。血管クランプ解除時、24時間後にバトロキソビン30バトロキソビン単位/kgを腹腔内投与し(コントロール群は生理食塩水を腹腔内投与)、皮弁虚血再灌流後の壊死抑制効果を肉眼的および組織学的に検証する。2022年度は先行実験として6匹に対して施行した。評価は再灌流後7日目の変化を確認した。肉眼的評価評価として、レーザードップラー血流イメージング(LDI; Moor Instruments, Ltd., Devon, UK)を用いて皮弁の生存範囲を可視化した。組織学的評価としてカルプロテクチン(S100A8)染色、ミエロペルオキシダー染色によるNETs発現、血管との関連としてCD31染色を行った。現在、皮弁血流の測定データは、Moor LDI Main software (Laser Doppler Imager ver 5.3; Moor Instruments, Ltd.)を用いて解析、組織標本を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織採取する症例が少なく計画よりやや遅れているものの、想定外の事象が生じていることはないため、研究計画に変更はなくすすめることが可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.慢性創傷でのNETs発現の検討は15例について検討する予定であるが、2023年度は残りの11例につい検体採取、組織染色を施行する予定である。 2.バトロキソビンのNETs抑制効果の検証 2023年度は残りの18匹について動物実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度の実験動物の購入数を予定よりも少なくしたため、次年度に使用する計画とした。
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