2021 Fiscal Year Research-status Report
ノックアウトマウスとレポーターマウス作製によるType I Runx2の機能解明
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21K09819
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 友紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (40792601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小守 壽文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00252677)
森石 武史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20380983)
大庭 伸介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20466733)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Runx2 / 骨形成 / P1プロモーター / P2プロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
骨形成に必須の転写因子Runx2は、2つのプロモーター(P1, P2)によって転写が制御されており、これらのプロモーターから転写・翻訳される2つのアイソフォーム(Type II, Type I Runx2)がある。Type II Runx2欠失マウスは既に報告されているが、その表現型はRunx2欠失マウスと比較すると骨形成の異常は比較的軽微であり、Type I Runx2が骨形成に重要な働きをすることが推察される。Type I Runx2の機能を明らかにし骨形成機構の理解を深めるために、P2プロモーターを欠失・変異させたType I Runx2欠失マウスを作製し、その機能と各アイソホームの時間的・空間的発現パターンを明らかにする。 当該年度は、Type I Runx2のみを欠失できるように、P1プロモーターからのRNAスプライシングに影響がなく野生型のType II Runx2が発現できるようにP2プロモーターを欠失および変異させたマウスをCRISPR/Cas9システムを用いた方法で作製を試み、成功した。Type I Runx2欠失マウスの骨形成への影響を検討するために、10週齢のマウスの大腿骨、脛骨、椎体を収集することができた。これらのサンプルを使用し、マイクロCT・骨形態計測により骨形成への影響を、組織学的解析により骨形成および吸収関連分子の発現パターンを検討する。また、血清およびRNAサンプルも収集しており、血清サンプルにより骨形成および骨吸収マーカーの変動を検討し、RNAサンプルにより骨形成および吸収マーカーの発現解析を検討し、分子レベルでの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P2プロモーターを欠失・変異させたType I Runx2欠失マウスの作製に成功し、10週齢のマウスの大腿骨、脛骨、椎体の骨サンプルと血清サンプルを収集し、Type I Runx2欠失マウスの骨形成への影響を検討する準備が予定通り整った。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した野生型マウスとType I Runx2欠失マウスの10週齢の骨サンプルおよび血清サンプルでの骨形成への影響を検討する。胎生15.5日、18.5日の骨格標本を作製し、軟骨形成、骨形成を検討する。また大腿骨切片で免疫組織染色およびRNAサンプルでのリアルタイムRT-PCRを行い骨・軟骨形成マーカーの変動を検討し、骨軟骨形成期での骨形成への影響を検討する。 P1プロモーターレポーターマウスを作製し、すでに作製しているP2プロモーターレポーターマウスおよびRunx2の生理的発現を再現できるレポーターマウスとの交配により、Runx2アイソホームの時間的・空間的発現パターンを同定する。
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Causes of Carryover |
使用予定の血清マーカーキットが製造中止となり、別のキットの購入を再考していた。よって、繰越額は、代替キットの購入代として使用予定である。
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