2023 Fiscal Year Research-status Report
歯の形成過程における糖代謝リプログラミングの制御機構
Project/Area Number |
21K09826
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 太朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00317570)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖代謝 / オートファジー / 幹細胞 / 歯髄 / エナメル上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では歯の形態形成における糖代謝調節機構の包括的理解に向けて、エナメル上皮および歯髄幹細胞の動態と糖代謝リプログラミング制御について、オートファジーの関与に焦点を当てて解明することを目的としている。 上皮細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;KRT14-cre)には、形成期および成熟期エナメル芽細胞の形態変化、およびエナメル質形成不全が認められ、それらの変化は高血糖状態で強調された。また、Atg7f/f;KRT14-creマウスの歯原性上皮細胞には老化促進が確認され、生後1年頃より上顎切歯幹細胞領域が不規則化し、生後1年6ヶ月齢で上顎切歯形成端に歯牙腫が生じた。長期間にわたるオートファジー不全がエナメル上皮幹細胞の増殖および分化の乱れを生じさせ、エピゲノム変異を伴い歯原性上皮細胞に過誤腫性変化を生じさせることが明らかになった。歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)では、生後3週齢で上顎臼歯の歯根象牙質の菲薄化が認められた。歯髄創傷治癒モデルである上顎臼歯の再植実験では、Atg7f/f;Wnt1-creマウスでは歯髄治癒過程での細胞増殖活性が有意に減少していることが確認された。今後は同マウス切歯・臼歯の加齢に伴う変化について解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)の加齢に伴う変化を確認する必要性が生じ、生後1年6ヶ月齢まで飼育が必要になったため、解析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)の老化にともなう表現型の解析を主体に進めるとともに、同マウスの歯髄初代培養細胞を用いたin vitro系での糖代謝リプログラミングの解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究論文作成がやや遅れているため。
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Research Products
(2 results)