2022 Fiscal Year Research-status Report
新規ラミニン融合遺伝子による扁平上皮癌の集団浸潤の分子機序の解明
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21K09840
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
越川 直彦 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70334282)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラミニン / 口腔癌 / 浸潤・転移 / ラミニン融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラミニン融合遺伝子のコンディショナルトランスジェニック(cTg)マウスの作製の作製が完了し、今後の動物実験に必要なマウス数の準備を進めるとともに、アデノ随伴初ウイルスによるCre-loxpを異所的に発現させるための実験系の構築を行った。本年度、Cre-loxp-GFPを発現させるためのアドレの随伴ウイルス(AAV)が完成し、その感染実験を野生型マウス口腔内に投与し、AAV感染をGFPの発現での経時的に検証し、投与後7日後にはAAV感染によるGFPの蛍光が舌上皮、食道上皮、肺胞上皮等で確認された。現在、小数のTgマウスにCre-loxp-GFP-AAVを投与し、10、20週後に当該組織のH&E染色による上皮組織の変化を調べる予定である。 また、Tgマウスから初代細胞の上皮細胞を単離して、in vitroにおけるラミニン融合遺伝子の発現が上皮組織の形態、機能に及ぼす影響を検討しているが、上皮組織由来のケラチノサイトの初代培養が成功していないため、マウス胎児由来の線維芽細胞を不死化したものを用いた解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tgマウス個体が想定した以上に増えないことが判明し、予定した実験に用いるマウス個体数を確保するために時間がかかり、AAVによる感染実験(有意差を得るための実験)の開始がおくれている。
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Strategy for Future Research Activity |
Tgマウスの個体数が増えにくいことが判明したので、マウスを増やすことに注力し、実験結果に有意差を得られるマウス個体数を確保した後、AAVによる実験を複数回行い、上皮組織に及ぼす当該融合遺伝子の影響を病理的に検討する。 また、初代細胞によるin vitro解析については、当初の上皮細胞から線維芽細胞を用いた解析を行う予定である。線維芽細胞はSV40で不死化させた後、がん浸潤・転移に重要な役割を担う、接着、運動、分解について検証してゆく。
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Causes of Carryover |
コンディショナルノックインTGマウスのブリーディングが予想以上に手間取っているため、当該マウスを用いた実験の一部を次年度に繰り越している。また、in vitro解析にもちいる初代上皮細胞(ケラチノサイト)の樹立が困難であることが判明し、TGマウス胎児からの線維芽細胞(MEF)を用いることにしたため、一部実験内容が翌年にずれ込んでいるため。 次年度使用額の実験計画として、樹立したMEF細胞の性状を解析するために、in vitroでの増殖、運動、生存能、および、in vivoでの造腫瘍能、浸潤・転移能を免疫不全マウスを用いて検証する。
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Research Products
(5 results)