2023 Fiscal Year Research-status Report
歯周病発症における新規小胞輸送因子の分子機構の解析
Project/Area Number |
21K09844
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 好夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (30581954)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
門脇 知子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (70336080)
鵜飼 孝 長崎大学, 病院(歯学系), 教授 (20295091)
佐藤 啓子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70410579)
藤原 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00228975) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 歯周病 / 小胞輸送 / 感染実験モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は細菌感染により免疫細胞と破骨細胞が活性化されて惹起する炎症性疾患である。わたしたちの以前の研究から 破骨細胞の分化過程で増大する新規遺伝子 Rab44 を発見し、さらに Rab44 が免疫系細胞にも発現していることを見出した。一般的に低分子 Rab タンパク質は細胞内の小胞輸送を制御している。Rab44 はアミノ末端にいくつかのドメイン構造を有する高分子 Rab タンパク質で、生体内でのその機能は不明である。本研究では Rab44 欠損マウスを用いて歯周病モデルを作製し、Rab44 の分子機構とその病態への関与を解明する。これまでにマウスに歯周病を発症させるために、接種する菌株、量、接種方法あるいは接種回数などのさまざまな条件を振り分けて感染実験を遂行した。非感染群と感染群を組織学的あるいは生化学的評価をおこない、炎症の程度を評価した。組織学的な評価のためマウスを屠殺後に上顎を摘出し、パラホルムアルデヒド固定を行なったのちに、脱灰処理を行い段階的に脱水後、パラフィン包埋をおこなった。包埋後は薄切して顕微鏡下にて組織学的な評価をおこなった。生化学的な評価としては、歯周組織を切除し、炎症性サイトカインの発現量をリアルタイムPCRをおこない定量比較した。これらとともにマイクロCTによる解析をおこない上顎歯槽骨破壊を評価した。これまでに、歯周病関連細菌の一種である Porphyromonas gingivalis をマウス口腔内に接種することによって初期的な歯周炎を発症することに成功し、野生型マウスと Rab44 ノックアウトマウスを用いて感染実験をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動により、課題研究以外の用務に割り当てられる時間が増大したことが主な理由として挙げられる。異動後、新しい職務に適応するために、予想外の時間を費やす必要があり、これにより本来の研究活動に集中するための時間やリソースが制限され、進捗が遅れる結果となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
感染実験よりえられた結果を定量化するためのデータ収集と解析をおこなう。
|
Causes of Carryover |
研究代表者の異動により、課題研究以外の用務に割り当てられる時間が増大したことが主な理由として挙げられる。異動後、新しい職務に適応するために、予想外の時間を費やす必要があり、これにより本来の研究活動に集中するための時間やリソースが制限され、進捗が遅れたため。実験環境も整ってきたため、次年度以降は計画通り遂行できるものと考えている。次年度は感染実験に用いるマウスやその飼育費用、また解析に用いる消耗品の購入に経費を充てる予定としている。
|