2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of the regulation mechanism of motility and biofilm formation in periodontal pathogenic bacteria Treponema denticola
Project/Area Number |
21K09860
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
永野 恵司 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60367620)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Treponema denticola / トランスポゾン / himar1 / ランダム変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象細菌であるTreponema denticolaのランダム変異導入に有用であることが報告されていたhimar1トランスポゾンおよびIS配列に挟まれたエリスロマイシン耐性遺伝子ermFの塩基配列をGenbankのデータベースから入手し、人工合成した遺伝子を作成した。この遺伝子を保持するプラスミドをT. denticola ATCC 35405株にエレクトロポレーションしたが、エリスロマイシン耐性を示す変異体は得られなかった。そこで、我々が分離した、ファージ脱落株のT. denticolaを用いて検討した。本株は、理由は不明であるが、遺伝子組換え体を高効率で作製できる。しかし、何回か検討したが、この株でも作製できなかった。次に、香川大学医学部の桑原先生らがBacteroides属細菌を用いてラダム変異導入に成功しているhimar1遺伝子を分与して頂き、検討した。この遺伝子もhimar1とびIS配列に挟まれたermFから構成されているが、前述のhimar1遺伝子と若干の相違が認められた。分与された遺伝子をT. denticolaにエレクトロポレーションを行ったが、変異体は得られなかった。そこで、次に、himar1のプロモーターをT. denticoaのものに変更したhimar1遺伝子を作成した。すなわち、himar1のプロモーター領域をT. denticolaに恒常的に高発現している細胞国家うタンパク質cpfAをコードする遺伝子の推定プロモーター領域をPCRで増幅し、himar1のORFの上流に挿入した。その遺伝子断片をIS配列に挟まれたエリスロマイシン耐性遺伝子ermFと連結し、pUC19プラスミドにクローニングした。現在、この遺伝子を用いて変異体作成を検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ランダム変異導入法が確立していない。既報のトランスポゾンを用いて検討を始めたが、変異体を得ることができなかった。T. denticola変異体作成は難しく、また、様々な条件が影響するため、解決が難しい。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のように、新規遺伝子を作成したので、ランダム変異導入を検討する予定である。一方、ランダム変異導入が不可能だった場合を考え、べん毛関連遺伝子の変異体を作成し、運動とバイオフィルム形成への影響についての検討も計画している。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたが、わずか(25944円)であり、使用計画との乖離はほとんどない。
|