2022 Fiscal Year Research-status Report
腸管粘液由来の糖利用競争力を介したクレブシエラ菌の腸内定着に及ぼす影響の解明
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21K09861
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
深町 はるか 昭和大学, 歯学部, 助教 (10433799)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クレブシエラ / 腸管定着 / 腸管免疫応答 / gnotobioteマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度確立したSPFおよび無菌マウスのクレブシエラ腸管定着マウスモデルを用いて、糖の取込み機構の1つであるマンノースホスホトランスフェラーゼシステム(PTS)の腸管への定着に及ぼす影響を解明することとした。初めに昨年に引き続き、マンノースPTSが腸管定着における競争上の優位性となるか、SPFクレブシエラ腸管定着マウスおよびクレブシエラgnotobioteマウスを用いてcompetitive assay(競合的コロニー形成法)で検討した。クレブシエラ菌野生株(WT)とマンノースPTS欠損株(KO)を等量混和し、マウスに感染後、1,3,7,14,21日後の糞便を回収し、マンノース分解能を指標とした寒天平板でWT,KOの菌数を求め、Competitive index(CI)=ratio out (KO/WT)/ratio in (KO/WT) CI<1:WT優位 CI>1:KO優位 で判定した。クレブシエラgnotobioteマウスでは、感染14,21日後はCI=0.52(p=0.0005),0.19(p=0.00018)となった。SPFクレブシエラ腸管定着マウスでは、感染3,7,14,21日後でCI=0.47(p=0.002), 0.29(p=0.0007), 0.18(p=0.0003), 0.15(p=0.0004)となり、SPF,gnotobiote共にWTが優位となり、マンノースPTSが腸管への定着に関与することが示された。 続いて、腸管の免疫応答を解析するために、SPFクレブシエラ腸管定着マウスの腸管上皮間リンパ球および粘膜固有層リンパ球を採取し、CD3抗体、CD4抗体、CD45抗体、IFN-gamma抗体、IL17A/F抗体で染色し、FACS解析でTh1, Th17応答を解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度確立したクレブシエラ菌の腸管安定定着条件を使用し、SPFクレブシエラ腸管定着マウスおよびクレブシエラgnotobioteマウスを用いてcompetitive assayを行った。続いて、PTSの免疫調節に及ぼす影響を解明するために、SPFクレブシエラ腸管定着マウスの腸管上皮間リンパ球および粘膜固有層リンパ球を採取し、CD3抗体、CD4抗体、CD45抗体、IFN-gamma;抗体、IL17A/F抗体で染色し、FACS解析でTh1, Th17応答を解析を実施でき、本年度予定していた解析が行えたため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
SPFクレブシエラ腸管定着マウスの腸管上皮間リンパ球および粘膜固有層リンパ球を採取し、IFN-gamma抗体、IL17A/F抗体で染色し、FACS解析でTh1, Th17応答を解析する(再現性)。その後、無菌マウスの匹数を揃えてクレブシエラgnotobioteマウスのTh1, Th17応答を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
無菌マウスの維持費用が当初の予定よりも少なく済んだため。次年度、実験予定のC57BL/6無菌マウスの繁殖効率が悪いため、週齢を揃えた無菌マウスの購入を予定しているため、これに使用する。
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