2023 Fiscal Year Research-status Report
腸管粘液由来の糖利用競争力を介したクレブシエラ菌の腸内定着に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
21K09861
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
深町 はるか 昭和大学, 歯学部, 助教 (10433799)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クレブシエラ / 腸管定着 / 腸管免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸管由来の糖とその取り込み機構であるホスホトランsフェラーゼシステム(PTS)に着目し、クレブシエラ菌の腸管への定着機構の解明と、腸管内での免疫調節機構を解析することを目的とした。昨年度までにクレブシエラ菌のマンノースホスホトランスフェラーゼシステム(PTS)が腸管定着に重要な因子であることを明らかにした。今年度はクレブシエラ腸管定着モデルマウスを用いて、感染時の腸管免疫応答を解析した。 これまでに確立したSPFマウスのクレブシエラ腸管定着マウスモデルを用いて、クレブシエラ菌野生株(WT)感染群およびマンノースPTS遺伝子欠損株(KO)感染群を作製した。感染7日後、14日後の大腸粘膜固有層リンパ球を採取し、CD3抗体、CD4抗体、CD45抗体、IFN-gamma抗体、IL17A/F抗体で染色後、FACS解析で腸管のTh1, Th17応答を解析した。その結果、Th1細胞はWT, KO感染群共に7日後から優位に誘導されたが、WT感染群とKO感染群で有意差は認められなかった。Th17細胞も同様で、WT, KO感染群共に7日後から優位に誘導されたが、WT感染群とKO感染群で有意差は認められなかった。現在、無菌マウスを繁殖させ、腸管に常在細菌が存在しない環境下でWT, KOを感染させた場合の免疫応答について解析中である。 続いて、本研究を遂行する過程で、糖を代謝して菌体外高分子物質を産生していることがわかり、現在表面性状等の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにSPFおよびノトバイオートマウスのクレブシエラ腸管定着マウスモデルを用いて、PTSの腸管定着および腸管免疫応答を解析し、当初予定していた無菌マウスの感染実験以外の解析を行うことができ、解析結果が得られた。 加えて、本研究を遂行する過程で得られた知見を基に、細菌の表面性状等の解析を行うこととしたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ノトバイオートマウスの免疫応答:無菌マウスC57BL/6の匹数を揃えて、クレブシエラノトバイオートマウスを作製し、Th1, Th17応答を解析する。 菌体外高分子物質の解析:クレブシエラ菌を様々な糖を添加した培地で培養した際の菌体外高分子物質の構造をSEM観察する。
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Causes of Carryover |
無菌マウスの維持費用が当初の予定よりも少なく済んだため。次年度の無菌マウスの繁殖に使用する。加えて、SEMを用いた研究を行うため、この費用に充填する。
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