2023 Fiscal Year Research-status Report
神経障害後の細胞環境依存的な衛星細胞の機能変化と三叉神経の興奮性変調機構の解明
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21K09867
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
久保 亜抄子 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (70733202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 三叉神経 / サテライトグリア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、口腔顔面部の慢性痛発症の起点となり得るサテライトグリアの活性化と三叉神経節細胞の興奮性変調の機能連関を解明するために、今年度は以下の点について研究を実施した。 1.培養サテライトグリアへのチャネルロドプシンの導入検討 光照射により放出される物質を生化学的・分子生物学的に解析するために、新生ラットの三叉神経節から得た一次培養サテライトグリアにAAVベクターによりチャネルロドプシンを導入することを試みた。今回はプロモータとして、P2X7受容体もしくはEF1aを使用して導入条件の検討を行った結果、P2X7受容体ではほとんど導入されなかった。一方EF1aでは、最大40%程度の導入効率であった。 2.三叉神経節から外側腕傍核へ投射する神経細胞の解析 ラット咬筋支配の三叉神経節細胞のうち、脳幹部の三叉神経脊髄路核を経ずに直接外側腕傍核へ投射する細胞の特性を解析するため、各種細胞マーカー蛋白質を使用して、免疫組織化学的解析を行った。神経トレーサーであるDiI及びFluoro-Goldを、それぞれ咬筋と外側腕傍核へ注入し、三叉神経節での重なりを解析した結果、直接投射している三叉神経節細胞の割合は4.4±1.2%(n=6)であった。これらの細胞に対し、ペプチド作動性神経節細胞のマーカーとしてCGRP、有髄神経のマーカーとしてNF200の抗体をそれぞれ使用し、免疫組織化学的解析を行った。また、非ペプチド作動性神経節細胞をIB4を用いて蛍光標識し解析を行った。その結果、直接投射している細胞の多くはIB4陽性細胞であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度から現在の所属に異動したため、実験環境を整えるのに時間を要した。特に、現在の所属では、動物実験や遺伝子組換え実験に関しての学内規程の見直し等が行われており、実験計画が承認されるまでに時間がかかった。しかしながら、サテライトグリアの培養系は立ち上げることができ、AAVを使用した実験も開始できている。以上のことから研究はやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も交付申請書に記載した「研究目的・研究方法」に沿って研究を推進していく。サテライトグリアから放出される物質の生化学的・分子生物学的解析を行う。三叉神経節細胞-外側腕傍核投射経路を担う三叉神経節細胞の細胞特性をさらにあきらかにする。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度、現所属に異動した後、速やかに本研究計画記載の動物実験を開始できず、実験の進行が遅れたため。 (使用計画) 次年度は、実験用動物、抗体などの消耗品費に使用する計画である。
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Research Products
(4 results)