2023 Fiscal Year Research-status Report
根尖病変の成立における抗RANKL抗体の骨吸収抑制機構の解明と臨床応用への期待
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21K09877
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 規元 昭和大学, 歯学部, 教授 (20372451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐川 亜希子 昭和大学, 歯学部, 講師 (70552280)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 根尖性歯周炎 / 骨吸収抑制薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
根尖性歯周炎は根尖歯周組織に生じる炎症性骨吸収性疾患であり、慢性化すると難治性となることも少なくない。根管内からの感染源の除去に加え、歯槽骨吸収を積極的に抑制することによって治癒を促進できる可能性が考えられる。一方、骨粗鬆症の治療薬である骨吸収抑制剤デノスマブは、破骨細胞分化誘導因子であるRANKLを標的とした抗ヒトRANKL抗体製剤であるが、その作用は可逆的であり副作用が少ないとされていることから、炎症による歯槽骨吸収の抑制に効果が期待できる。 マウスに作製した実験的根尖性歯周炎における抗マウスRANKL抗体 (OYC1;オリエンタル酵母社) 投与群、BP製剤であるゾレドロネート(ノバルティス社) 投与群および非投与群について、マイクロCTにより病変の進展を検索したところ、どちらの薬剤も容量依存的に根尖病変の拡大を抑制することが示唆された。また、凍結組織標本による炎症組織(HE染色)および破骨細胞(酵素活性染色)の観察を行ったところ、両薬は根尖部の炎症性細胞浸潤を抑制し、抗RANKL抗体は破骨細胞数を減少させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者のその他の業務多忙により、本年度は十分に研究を行うことが難しく、研究の進展は得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
抗RANKL抗体の作用メカニズムと炎症への影響を解明するために、免疫組織化学的検索、サイトカインのタンパク発現およびRNA発現の検索を行う。また、抗RANKL抗体の局所投与の系を確立し、抗RANKL抗体の局所投与による根尖性歯周炎抑制効果の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度は研究代表者のその他の業務多忙のため、研究を十分に進めることができなかったため、次年度使用額が生じた。翌年度は、抗RANKL抗体の作用メカニズムと炎症への影響を解明するために、免疫組織化学的検索、サイトカインのタンパク発現およびRNA発現の検索を行う予定である。
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Research Products
(2 results)