2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09878
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
土田 祥央 日本大学, 医学部, 助手 (90410422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 智祥 日本大学, 医学部, 教授 (00339334)
西村 基 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80400969)
梅村 啓史 日本大学, 医学部, 准教授 (90456070)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周疾患 / マルチオミクス / プロテオミクス / トランスクリプトーム / メタボロミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、発現プロテオーム解析を駆使して歯周疾患のバイオマーカー探索を続けてきた。しかし、大部分のタンパク質が何らかの翻訳後修飾を受けて初めてその本来の機能を獲得することを考慮すると、従来の発現プロテオミクスに頼る手法では限界がある。最近、エピトランスクリプトーム、リン酸化プロテオーム、メタボロームなど、オミクス階層の修飾情報を網羅的に計測することが可能になってきている。また、いくつかの階層では1細胞レベルの解像度で網羅的な情報を取得することが可能になってきており、生命現象をより詳細に投射し全体像を理解することが可能になりつつある。本研究ではプロテオーム解析を発展させ、マルチオミクス解析を用い歯周疾患の解明に応用するための方法論を確立し、更には歯周疾患の早期診断および再発予測治療効果判定等に応用することを目的としている。 本年度ではキャリアプロテインの影響を受けずに高効率で再現性が良い有機溶媒沈殿法を用いてヒト歯肉線維芽細胞(HGFs)からペプチドの抽出を試みた。次にHGFsのメタボローム解析を行った。検体を遠心分離後、上清を取り出し、減圧乾固させ、超純水で再溶解し、同様に液体クロマトグラフィー・三連四重極型質量分析計にて分析を行った。GCFと界面活性剤を混ぜて化学的に溶菌させ、抽出効率を上げるため、さらにガラスBeadsを添加してBeatingする物理的な破砕を行う。その後にフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール抽出、イソプロパノール沈殿を経てDNAを精製する。抽出したDNAより16S rRNA遺伝子を特異的にPCR増幅して、次世代シーケンサーを用いて遺伝子配列を読む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の進捗状況はやや遅れていると思われる。その理由は有機溶媒沈殿法を用いたヒトHGFsからペプチドの抽出とDNA抽出とメタボローム解析に労力がかかってしまったためである。液体クロマトグラフィー・三重四重極質量分析による分析についても装置調整のため、若干遅れたが、想定内の遅れであった。
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Strategy for Future Research Activity |
GCF中細菌叢の16S rRNA遺伝子解析、GCFならびにHGFsのマイクロアレイを用いたトランスクリプトームプロファイリング、歯周疾患マーカー候補タンパク質・ペプチドのバリディーションを予定している。歯周疾患のバイオマーカータンパク質・ペプチド候補の妥当性を検討するため、マーカー候補タンパク質・ペプチドのバリディーションを行う。歯周疾患で上昇傾向のペプチドを合成してアレイを作成する。特異抗体の作成が困難な場合は、三連四重極型質量分析計を用いたMRM法を利用する。最終的に歯周疾患マーカーの質量分析計を用いた定量系の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
購入予定であった試薬が国内に在庫が無く、海外取り寄せで年度内での納品ができなかったため、繰り越している。次年度以降は次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析のために試薬を購入する。
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Research Products
(3 results)