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2021 Fiscal Year Research-status Report

歯髄におけるGCaseの核移行に着目した新規創傷治癒因子の同定

Research Project

Project/Area Number 21K09882
Research InstitutionKanagawa Dental College

Principal Investigator

室町 幸一郎  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50637072)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 信之  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20163610)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords象牙質・歯髄複合体 / BMP-1 / α2,6-sia / GCase
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、齲蝕にさらされた象牙質・歯髄複合体の創傷治癒におけるプロテアーゼを起点とした機序を解明することで、歯髄保存療法へ応用可能な新規標的分子の同定と機能解析を行い創薬への展開を目的としている。
これまでの研究から、①齲蝕罹患歯では象牙芽細胞様細胞および修復象牙質にbone morphogenetic protein (BMP)-1の発現が亢進し、②lectin microarrayによる網羅的解析からBMP-1によってヒト歯髄培養細胞のα2,6-linked sialic acid (α2,6-sia) 修飾が減少すること、③α2,6-sia修飾されるタンパク質をlectin column精製と質量分析にて解析し、同定した候補タンパク質のひとつであるglucosylceramidase (GCase)がBMP-1によって核へ集積することを確認している。
そこで本年度はまず核移行したGCaseの機能解析の前段階として、BMP-1存在下でのGCaseの細胞内局在、特にlysosomeマーカーであるlysosome associated membrane protein (LAMP)-1を用いて蛍光免疫二重染色を行い共焦点レーザー顕微鏡にて評価を行った。結果、BMP-1によってGCaseがlysosomeではなく核へ集積することを確認した。特にGCaseは核膜のみならず核内へも集積することが明らかとなった。
加えて、GCaseの細胞内局在の変化がその酵素活性にも影響することが予想されたためGCase特異的蛍光基質である4-methylumbelliferyl-β-D-glucopyranosideを用いたGCase enzyme activity assayを行ったところ、BMP-1によって核画分のGCase活性が増加する一方、細胞質画分のGCase活性の増減は認めなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度はまず核移行したGCaseの機能解析の前段階として、①BMP-1存在下でのGCaseの細胞内局在、特にGCaseとLAMP-1の共局在の検討、および②GCase特異的蛍光基質を用いた酵素活性の変化について検討を行う計画であった。
①については、BMP-1によってGCaseがlysosomeではなく核へ集積することを明らかにした。
②については、BMP-1によって核画分のGCase活性が増加する一方、細胞質画分のGCase活性の増減は認めなかった。
また、上記に加えて、次年度以降に計画しているsiRNA/shRNAを用いたGCaseやα2,6-siaのノックダウン系の確立を目指した予備実験を既に行っている。GCaseについてはほぼ確立し、α2,6-siaについてもノックダウンの効果を確認し、現在は詳細な条件を検討中である。
従って、本研究は当初の計画以上に進展しているものと考える。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、BMP-1によって核へ集積したGCaseが転写因子様の機能を有するものと仮定し、Chromatin immunoprecipitation (ChiP)-seqによる網羅的解析を行い新規GCase標的遺伝子の探索を行う予定である。
また並行して、最終年度に予定をしていたsiRNA/shRNAによるGCaseやα2,6-siaのノックダウン系の確立を引き続き行う。上述のChiP-seqにて同定した新規GCase標的遺伝子の発現がGCaseやα2,6-siaのノックダウンで変化するようであればGCaseが転写因子様の機能を有することの裏付けになると考えられる。

Causes of Carryover

本年度は岡山大学にて行われる予定であった第12回日本CCNファミリー研究会が新型コロナウイルスの感染状況を鑑みてweb開催となった。そのため、当初予定していた旅費が発生せず次年度使用額が生じた。また、次年度も同様の理由から当初計画していた旅費が生じない可能性が高い。
一方で、当初の計画に比べて研究が進展しており、予備実験の結果からBMP-1および下流のGCaseが細胞増殖などに関与する因子の発現を制御するとの知見を得ている。
当初予定にはないものの本研究計画から新たに派生した研究として、これらの発現をwestern blottingにて確認するために抗体を購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒト歯髄培養細胞におけるBMP-1を起点としたGCaseによるCCN2発現調節2021

    • Author(s)
      室町幸一郎, 中野令, 吉垣純子, 杉谷博士, 石井信之
    • Organizer
      第12回日本CCNファミリー研究会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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