2022 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MRIとRNA-seqを用いたう蝕の進行に伴う歯髄・根尖歯周組織の病態解明
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21K09915
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 基岐 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60755354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
齋藤 茂芳 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40583068)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRI / 歯髄炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の主要な喪失原因である歯根破折は歯髄を失うことで発生率が劇的に上昇する。よって、深在性う蝕において安易に抜髄をすることなく、歯髄の温存を行う直接覆髄や断髄などのVital Pulp Therapy が世界的にも注目を集めている。しかし、歯髄の創傷治癒メカニズムはいまだ不明な点も多く、う蝕の進行に伴う歯髄・根尖歯周組織の病態は解明されていないことが国際的にも常に議論されている。そこで本年は、う蝕病変の深度を規定したin vivoモデルを用いて、う蝕の進行に伴う歯髄炎をマイクロCTおよび超高磁場MRIによる2つのイメージング技術により可視化することを目的とした。 う蝕の進行に伴う硬組織の変化はマイクロCTにより3次元的に把握し、同時にMRIによるT2強調画像から歯髄の炎症の程度を評価した。マイクロCTによりう蝕の深さを浅在性、中等度、深在性、歯髄との交通の見られる露髄の4段階を規定すると、MRIによる信号強度は中等度、深在性までは強いT2信号強度が観察され、露髄することで、不可逆性歯髄炎領域と考えられるT2信号強度の低下した領域が再現性をもって観察された。これらの非破壊試験試料を病理組織学的に解析したところ、MRI画像で信号が低下した領域と一致して、炎症性細胞浸潤を認めた。さらに不可逆性歯髄炎で検出されるMMP9の免疫組織染色を行ったところ、T2信号強度の消失した領域と一致していた。これらの結果は、MRIによる歯髄の炎症状態を評価する対象としてヒトの歯髄を評価した報告があるものの、ラットなどの微小領域に存在する歯髄を評価する実験モデルを新たに確立できたとともに、臨床で診断することの難しい可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎を非破壊的に検出できる技術へとつながる可能性を示すものである。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Novel Functional Peptide for Next-Generation Vital Pulp Therapy.2023
Author(s)
Watanabe M, Okamoto M, Komichi S, Huang H, Matsumoto S, Moriyama K, Ohshima J, Abe S, Morita M, Ali M, Takebe K, Kozaki I, Fujimoto A, Kanie K, Kato R, Uto K, Ebara M, Yamawaki-Ogata A, Narita Y, Takahashi Y, Hayashi M.
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Journal Title
Journal of Dental Research
Volume: 102
Pages: 322-330
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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