2023 Fiscal Year Annual Research Report
修復性マクロファージの賦活化を介したRANKL逆経路活性化による骨再生療法の開発
Project/Area Number |
21K09927
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
松本 典祥 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80597948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (20432924)
吉本 尚平 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70780188)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨再生療法 / マクロファージ / 生体活性化ガラス / PSリポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットを用いた動物実験を行い、組織学的に解析した。実験には10週齢雄性Wistar 系ラットを用い、頭蓋骨に直径5 mmの穿通性の骨欠損窩洞を作製した。その後、骨欠損窩洞に、①PSL・BAG併用群、②BAG単独群、③骨欠損部に何も埋入しない対照群、3種類のモデルを作製した。処置後 2, 4, 8週間後に標本を採取し、HE染色およびED1免疫染色(Mouse Anti Rat CD68,Bio-Rad社製、東京)による組織学的解析を行った。 HE染色像ではNC群では8週目に至るまで、窩洞内に骨用組織の形成は見られなかった。BAG単独群では2週目から、主にBAG粒子周辺に骨様硬組織の形成がみられはじめ、4週目にはその傾向は顕著になった。8週目には窩洞内に新生骨の形成がみられた。BAG・PSL併用群でも同じように2週目からBAG粒子の周辺に骨様硬組織の形成がみられたが、2週目、4週目では、BAG群と比較して、その形成量は少なく、形成された硬組織は島状であり、BAG粒子周辺は肉芽組織に被覆されていた。しかしながら8週目には窩洞に新生骨が形成されており、BAG群と比較して厚く、緻密な骨が観察された。 ED1免疫染色像では、BAG単独群では2週目に新生骨やBAG粒子周辺に多核のED1陽性細胞が多数観察されたが4週目では減少傾向を認めた。BAG+PSL群では2週目にはBAG群と同じように新生骨やBAG粒子周辺で多核のED1陽性細胞が数多く観察され、4週目でも同様の所見がみられた。 BAG単独群とBAG・PSL併用群では2週目からBAG粒子周辺に骨様硬組織形成がみられはじめ、両群の間に大きな差は見られなかった。しかしながら8週目ではBAG・PSL併用群のほうがBAG単独群よりも厚く緻密な骨が形成されていた。
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