2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of dental titanium alloys with enhanced antibacterial property
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21K09930
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 正敏 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50400255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 雄京 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10206766)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 制菌性 / チタン合金 / 組織制御 / 金属組織 / 熱処理 / Ti-Ag合金 / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、(1)様々なTi-x合金の制菌性試験を行い、チタンに制菌性を与える合金化元素のスクリーニングを行う。そして、制菌性を示す合金のぬれ性と自然電位を調べ、(2)制菌のメカニズムを解明し、新たな機能性合金を開発するための基礎を構築する。さらに、Ti-Ag合金をベースに第三元素を添加し、(3)制菌機能を強化したTi-Ag-x合金のインプラント応用の可能性を評価する。 令和3年度は、Ti-Ag合金、Ti-Au合金、Ti-Cu合金を設計し、それら合金を試作した。いずれの系も共析型の平行状態図である。合金を圧延し、板状に切り出して試料を作製した。その試料に真空熱処理による組織制御を行った。熱処理前後の金属組織を調べ、金属間化合物の消失する熱処理条件を求めた。また、3元系Ti-Ag-Cu合金を設計、試作し、状態図の作成と機械的性質の測定を行った。 【合金の試作】設計した合金組成となるように各元素を秤量し、アルゴンアーク溶解炉を用いて合金インゴットを溶製した。【熱処理】板状試料を石英管に真空封入し、電気炉を用いて熱処理した。水中急冷した。【金属組織評価】X線回折試験を行って試料表面の合金相を同定した。鏡面研磨後にエッチングした試料を光学顕微鏡で観察した。【機械的性質の測定】引張試験と硬さ試験を行った。【結果】いずれの合金にも熱処理前には金属間化合物が多量に存在した。共析温度より高い温度で熱処理することで、金属間化合物の量を制御することができた。1時間以上の熱処理で、αチタン単相になった。また、Ti-Ag-Cu合金はCuの添加量が5%以上で脆性を示した。Ti-20%Ag合金 にCuを1~2%添加することで、歯科用合金として必要な伸びを保ったまま、強さと硬さを向上させられることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオフィルム形成試験に先立って合金組織制御の研究を行った。様々な二元系チタン合金について、添加元素量と合金相の変化を詳細に知ることができた。また、金属間化合物の量を制御するための熱処理条件を見出した。これらの成果を基に、この後に行うバイオフィルム形成試験やぬれ性試験と自然電位測定の結果とあわせて解析することで、制菌メカニズム解明の手掛かりが得られると考えられる。 また、3元系Ti-Ag-Cu合金についての研究成果により、状態図と合金組織の関係の理解を深めることができた。制菌機能を強化したTi-Ag-x合金開発に役立つ知識を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
【合金開発】チタンに制菌性を与える合金化元素のスクリーニングのため、Pt、Fe、Mn、Nbなどを添加した二元系Ti-x合金についても令和3年度と同様の研究を行い、金属組織を評価するとともに、合金組織制御技術を確立する。【バイオフィルム形成試験】細菌培養試験用品を用いて、試料をスクロース含有液体培地に浸漬し、バイオフィルム形成細菌を嫌気培養する。表面に形成されたバイオフィルムを回収して蒸留水に懸濁し、分光光度計で濁度を測定することで、バイオフィルム量を推定する。【殺菌試験】細菌培養試験用品を用いて、バイオフィルム形成細菌を試料上で、フィルム密着法により培養する。培養後に試験菌を洗い出し、寒天平板培養法で生菌数を求め、試験成立条件の判定を行う。試験が成立した場合について抗菌活性値を計算し、抗菌性を評価する。【自然電位の測定】バイオフィルム形成試験で使用する液体培地における、各合金の自然電位の測定を行う。研磨した試料を蒸留水に1日間浸漬した後、37℃で24時間測定する。
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Causes of Carryover |
(理由)本年度は様々な共析型のチタン合金に対する合金組織制御を中心に研究し、消耗品類を多量に必要とするバイオフィルム形成試験や抗菌試験を令和4年度に先送りしたためである。 (使用計画)当初の予定通り、バイオフィルム形成試験や抗菌試験に必要な消耗品類に使用する。
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Research Products
(1 results)