2023 Fiscal Year Annual Research Report
鋳型周囲の未分化細胞と組織体による顎裂部の骨再生誘導技術開発
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21K09931
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 洋子 (大山洋子) 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40897857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古村 眞 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10422289)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鋳型周囲被包化組織 / 顎裂 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの頭蓋骨に3.5㎜径の自然治癒しない大きさの骨欠損を形成し、骨再生を行った。マウス頭蓋骨に3.5㎜径の欠損部位を作成し、同部位の脳側にシリコン鋳型を移植すると約4週間で鋳型の皮膚側に骨断端より骨と考えられる基質が自己再生することを確認した。この基質は、アルフォスで染色され、アリザリンレッドでも染色を認めた。さらには、骨髄と考えられる組織がH&E染色で認められており、約4週間で成熟した骨の自己再生が可能であることを確認した。この鋳型形状、移植位置について検証し、再現性を高める実験を行っている。同所性の鋳型周囲の線維性組織には、periostin, Runx2, Osterix陽性の細胞を免疫組織学的に確認しており、腹壁筋肉上の皮下に移植した鋳型にはそのような細胞は認められなかった。骨欠損部位に移植した同所性の鋳型は、骨膜に類似した組織体を形成し、骨形成因子を誘導することによって、骨欠損部位の自己再生を促進していた。この短期の骨再生について、再現性を求めて実験を重ねたが、自己再生を効率的認める鋳型開発ができなかった。鋳型の位置と骨断端の位置を調整し、線維性組織の誘導を試みた。また、また、鋳型形状を工夫して、鋳型週にヒアルロン酸が蓄積する形状にした。 同所性の鋳型の固定性を高めるために脳組織を切除して鋳型を固定したことによるものと推測された。脳切除モデルでは、骨再生が亢進することが既に報告されており、この現象を見ているものと考えている。今後は、脳損傷モデルにおける骨再生の更新を疑似的に発生させて、鋳型周囲の線維性組織を足場とした骨再生技術を開発するための基礎データを得ることができた。
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