2023 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント治療の審美的予後に影響を及ぼす因子の多変量解析による縦断研究
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21K09933
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 環 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40379079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 一道 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (50432547)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / 前歯部治療 / 審美性 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
前歯部インプラント治療においては、審美性の獲得とその長期的な維持が重要であり、様々な術式が提唱されている。なかでも抜歯即時埋入は有用な選択肢であるが、遅延埋入や早期埋入と比較し有用であるという報告と軟組織退縮等のリスクがあり推奨されないという報告が存在し見解が一致しない。さらに術前の硬軟組織の厚さと高さ、インプラント体の埋入ポジション、硬軟組織造成の併用の有無、装着される上部構造の形態等により術後の審美性は大きく異なってくると考えられるものの、それら複数の因子の交絡の影響を考慮した詳細な分析は行うことができていない。 そこで本研究では、埋入のタイミング(抜歯即時、早期、待時)、術前の硬軟組織の量、術中のインプラント体の三次元的埋入ポジション、硬軟組織造成の併用の有無、装着される上部構造のカントゥア等が、術後の審美性の獲得および維持にどのような影響を及ぼすかを検討し、前歯部インプラント治療の審美的予後に影響を及ぼす因子を分析し治療のガイドライン確立を目指すことを目的とした。 当該年度においても継続して大阪大学歯学部附属病院口腔補綴科および口腔インプラントセンターにおいて2012年4月以降にインプラント治療を行ってきた患者のデータの抽出、収集に努めた。またこれまでの全データを分析し以下の成果を得、それらに関して誌上および学会発表を行った。1) 抜歯窩の唇側骨の裂開が深くても幅が狭い場合、抜歯後即時埋入による術後軟組織退縮のリスクは低いことが示された。2) 裂開の幅がより広い場合、抜歯後即時埋入を適用する場合には結合組織移植を併用すること、あるいは埋入時期を早期埋入とすることで術後軟組織退縮のリスクが低減されることが示された。3) 上部構造に付与した粘膜貫通部形態は唇側軟組織形態に影響していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)