2023 Fiscal Year Annual Research Report
チタン合金の電解処理による表面改質の歯科補綴装置への応用
Project/Area Number |
21K09942
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
米山 隆之 日本大学, 歯学部, 教授 (00220773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736) [Withdrawn]
小泉 寛恭 日本大学, 歯学部, 准教授 (20339229)
陳 鵬 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70708388) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | チタン合金 / 表面改質 / 歯科補綴装置 / 耐食性 / 接着性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ti-6Al-7Nb合金、Ti-6Al-4V合金および純チタンの試料に電解処理を行い、耐食性と表面組成に及ぼす影響を検討するとともに、Ti-15Mo-5Zr-3Al合金および純チタンの接着性を評価した。 耐食性評価:各試料について0.9%生理食塩水中でアノード分極試験を実施した。腐食電位については、Ti-6Al-7Nb合金では未処理:-0.15 V、電解処理:0.06 Vで、Ti-6Al-4V合金でも未処理:-0.04 V、電解処理:0.37 Vと電解処理によって上昇した。対照の純チタンではそれぞれ-0.16 V、0.04 Vであった。続いて2.5 Vまでアノード分極を行った際の不動態保持電流密度については、Ti-6Al-7Nb合金では未処理:6.5 μA/cm2、電解処理:0.36 μA/cm2で、Ti-6Al-4V合金でも未処理:5.1 μA/cm2、電解処理:0.39 μA/cm2と電解処理によって低下した。純チタンではそれぞれ8.0 μA/cm2、1.2 μA/cm2であった。したがって、本研究における電解処理によってチタン合金の耐食性の向上が認められた。 表面組成:各試料の表面組成についてXPSで分析した結果、Ti-6Al-7Nb合金のTi 2p3/2におけるTi4+の割合は、未処理:51%、電解処理:82%、Ti-6Al-4V合金についてはそれぞれ57%、82%であり、電解処理によってチタン合金表面における酸化の促進が認められた。 接着性評価:MDPを含有するプライマーを使用してレジンとの接着耐久性(温熱負荷20,000回)を測定したところ、Ti-15Mo-5Zr-3Al合金では19.5 MPaであり、純チタンでの14.4 MPaより大きかった。また、接着強さに与える電解処理の影響としては、純チタンで未処理:31.2 MPa、電解処理:25.4 MPaであった。
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