2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨膜におけるF-boxタンパク質FBXW2の骨誘導能に関する検証
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21K09947
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
秋山 真理 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (60340618)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 弾性線維 / Fボックスタンパク質 / 骨再生 / 血管の弾性板 |
Outline of Annual Research Achievements |
ほ乳類で69種類あるといわれているFボックスタンパク質の機能はユビキチン化によるプロテアソームがすでに知られているが、その他の機能は不明である。 Fボックスタンパク質の1つであるF-box and WD-40 domain-containing protein 2(FBXW2)が骨再生に及ぼす影響について検証したところ、FBXW2の発現部位は骨膜において弾性線維が存在する部位と一致していることがエラスチカ・ワンギーソン特殊染色およびエラスチン抗体を用いた免疫染色により明らかになった。弾性線維の主な成分は不溶性タンパク質のエラスチンであり、抽出が難しかったため、従来の研究ではエラスチンとFBXW2との関連性を見出すことはできなかったが、本研究において、骨膜のみならず血管の弾性板においてもFBXW2が発現していることが明らかとなった。 骨膜に関しては、もう1つのFボックスタンパク質F-box/leucine-rich repeat protein 14 (FBXL14)が、骨膜由来細胞の多層構造の形成に関わり、スキャフォールドフリーでの骨再生に重要な役割を果たしていることを発表した。一方、骨膜の中では、FBXW2の発現部位は弾性線維に一致しているものの、アスコルビン酸無添加での、骨を再生できない培養条件ではFBXW2はエラスチンから離れていくことを明らかにした。弾性線維の安定性についての今後の研究につながると考えられる。 当初の予定にはなかった成果だが血管にも弾性線維が含まれることから、血管の内・外弾性板とFBXW2との関連性を調べた。弾性板においてFBXW2はエラスチンの発現部位と一致していたにも拘らず、既知の弾性線維の構成成分であるフィブリリン‐1はエラスチンから離れた部位に強く発現していた。
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