2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of intraosseous vascular network and remodeling system that accommodates peri-implant bone morphology and mechanical function
Project/Area Number |
21K09961
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松永 智 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (70453751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90329475)
三友 啓介 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90844051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / 新生血管 / オステオン / 骨質 / リモデリング / 生体アパタイト結晶配向性 / コラーゲン線維の走行異方性 / SHGイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インプラント周囲に新生される血管網の走行・性状と骨組織のミクロ構造特性との関連性を明らかにすることで、インプラント周囲骨にとって必要不可欠な血管網と骨力学機能の双方を両立させるリモデリングシステムの一端を解明することを目的とした。具体的には、これまでも進めてきた、ヒト遺体より採取した歯科インプラントを含む顎骨試料について、インプラント周囲血管網および新生骨について材料工学的手法を用いた定量解析を行う。同時に、マウス抜歯窩の治癒過程とインプラント埋入後の周囲組織における血管新生を三次元的に把握するために血管造影を併用したマイクロCT撮像により、血管網の走行異方性について検討する。特に血管全体の数%しか存在しないが、骨新生部位に多く出現することが報告されているType H血管(CD31 high Emcn highな血管)に着目し、Type H血管の局在と骨前駆細胞分化について明らかにすることで、これまでの研究で明らかにしてきたインプラント周囲骨の骨の形態学的特徴と細胞動態を包括的に解析を行うことが可能となる。ヒト試料については骨量、骨質(オステオン分布と走行、生体アパタイト結晶の配向性、コラーゲン線維の走行異方性)を含めた歯科インプラント周囲骨構造と血管経路(オステオン分布の異方性)について第51回日本口腔インプラント学会学術大会にて報告を行い、International Journal of Implant Dentistryにアクセプト(2022)され、十分な成果が得られたと考える。一方、動物実験についてはマウスにおける抜歯およびインプラント埋入手技は確立したものの、抜歯手法および埋入後の力学環境構築において再現性があり十分なエビデンスを得られるモデル構築に着手しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生前に歯科インプラントが埋入され、亡くなる直前まで使用していた遺体より採取したインプラント周囲顎骨に関する研究結果は、血管経路(オステオン走行)と骨質に着目し、正常の歯周組織(有歯顎)と比較検討することで学会発表および学術論文として報告を行うことができ、十分な成果を得ることができた。一方で、動物実験は抜歯時における歯根膜残存の有無により結果に大きなばらつきがでることがプレリミナリなデータから明らかとなっており、実験に高い再現性をもたせるため、特に抜歯の手技について統一された手法を検討しているところである。その後のインプラント埋入についてはすでに何度か手技を行い、きわめて精緻な技法が必要とはなるが、十分に実現可能であることを確認済みである。とはいえ、動物実験については当初の計画より慎重にエビデンスを固めながら進めており、やや遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験における結果のばらつきの原因と考えられる、抜歯時の歯根膜残存について検討を進めているところであり、3通りのプレリミナリな抜歯モデルについて歯根膜残存の割合を定量的に評価する。しかる後、歯根膜残存グループと歯根膜除去グループを新たに分けてインプラント埋入後、解析を行うことで、抜歯窩および歯科インプラント周囲組織における血管タイプの特異性と骨系細胞の分布について検討を進めていく。特に三次元的な血管経路についてはMicroFilを用いた毛細血管造影が極めて難しい手技であり、透明化マウスを用いた血管蛍光染色についても検討しており、早急に予備実験を行う予定を立てている。
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Causes of Carryover |
物品費において消耗品購入時に想定していた価格よりも安価に購入できたため、差額が生じた。翌年度分の消耗品購入時に合算して購入費に充てる予定である。
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Research Products
(27 results)