2021 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋fMRIを応用した口腔機能とフレイルの多角的関連解析
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21K09970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 大学病院, 講師 (50400263)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 咀嚼筋 / MRI / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、感染リスクの高い口腔内への咬合力測定装置の挿入が困難となり、解析対象となるmfMRIの撮像をほとんど行うことが出来なかった。そのため、過去に別の研究課題で撮像した頭頚部MRIを利用して、3次元画像の空間的標準化を応用した咀嚼筋の体積および脂肪化率の自動計測パイプライン構築の検討を行った。 まず、医用画像Registrationの分野で精度に定評のある「Advanced Normalization Tools(ANTs)」の脳MRIテンプレート作成スクリプトである「antsMultivariateTemplateConstruction2.sh」を利用して、30名の頭頚部MRIから頭頚部全体のテンプレート画像を生成した。テンプレート作成に必要なパラメータは、試行錯誤的に最適な数値を検索した。完成したテンプレート画像上で各咀嚼筋の外形をトレースすることで、各咀嚼筋の領域に対応するマスク画像を作成した。 次に、ANTsを利用して、各被験者の頭頚部MRIのテンプレート画像に対する空間的標準化を実施した。その際に出力される変換パラメータ画像を利用して、咀嚼筋マスク画像の逆変換を行い、各被験者の咀嚼筋領域を反映するマスク画像を出力した。マスク画像のマスク領域の体積を算出し、これを各咀嚼筋の体積とした。また、逆変換したマスク画像を利用して各被験者の咀嚼筋内における信号強度の分布を求めることで、脂肪化率の指標とした。これらの処理はスクリプトによる自動化が可能であり、バイアスを排除した自動解析を実施できることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行継続に伴い、感染リスクの高い口腔内への咬合力測定装置の挿入が困難となり、解析対象となるmfMRIの撮像をほとんど行うことが出来なかった。既存の頭頚部MRIを利用して、本研究課題で使用する画像解析パイプラインの検証を行ったが、実際に解析対象となるMRI撮像が未実施であるため、本研究課題の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の流行状況に応じて適切な感染対策を行うとともに、感染者数の減少に合わせて集中的にMRI撮像を実施することで、可及的にリスク を低減した研究推進を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行継続により、感染リスクの高い口腔内への器具挿入を伴うMRI撮像を行うことが出来なかったため、撮像に関わる費用や、その後の解析およびデータバックアップに関わる費用などが不要となり、次年度使用額が発生した。次年度からは、本研究課題の目的である舌運動を対象としたMRI撮像と解析を再開するため、次年度使用額はMRI撮像に関連する機材の購入や、その後の解析やデータバックアップに関わる器材の購入にあてる予定である。
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