2023 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋fMRIを応用した口腔機能とフレイルの多角的関連解析
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21K09970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50400263)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 咀嚼筋 / MRI / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの解析によって、頭部MRIから自動解析によって算出した側頭筋容積がフレイルの指標の1つである握力と有意な相関を示すことが明らかになったため、今年度は解析対象者を増やしてより詳細な統計解析を実施する予定であった。しかし、近年の感染症対策等の影響で十分なデータを蓄積することが出来なかったため、研究期間を延長して次年度に改めて解析を実施することとした。 そこで今年度は、本研究課題のもう一つのテーマである骨格筋機能的磁気共鳴画像(muscle functional magnetic resonance imaging : mfMRI)による口腔機能と口腔周囲筋の筋活動分布との関連解析を行った。具体的には、口腔機能として舌圧に注目し、舌抵抗訓練時に口腔内で舌圧を発揮する方向と舌内部の筋活動分布について、解剖学的標準化と統計マッピングの手法を応用することで20名の若年健常被験者に共通する傾向を解析した。 その結果、訓練前は全被検者に共通する有意な筋活動領域が検出されなかったが、訓練後では、舌圧発揮方向ごとに異なる領域において、全被検者に共通の有意な筋活動が認められた。これは、舌内部の筋活動部位が舌抵抗訓練によって全被験者に共通の領域に収束したことを示しており、若年者では訓練によって筋活動領域が最適化されることを示唆している。 今後は、より広範囲の年齢層を対象とした解析を行うことで、この最適化に対する加齢の影響を解明する必要がある。さらに、高齢被験者を対象として筋の萎縮や機能低下との関連を解明することで、口腔機能低下やフレイルを予防するためにより有効な筋機能訓練の開発に寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の解析結果を発展させるためには、より多くの疫学データが必要であったが、過去数年間におよぶ感染症対策等の影響によりデータを十分に蓄積することが出来ていない。その代わりに、前年度には実施出来なかったmfMRIによる筋活動解析を行い、新たな知見を得ることが出来た。本研究課題は部分的に着実に進捗しているが、全体としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の疫学調査は順調に実施されたため、蓄積したデータの利用が可能となり次第、順次必要な統計解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の解析によって有用性が示されたデータの元となった疫学調査が感染症対策のために過去に中断していた影響で、追加データによる統計解析を実施することが出来なかった。そのため、解析、論文執筆およびデータバックアップに関わる費用などが不要となり、次年度使用額が発生した。 次年度からは統計解析を再開するため、次年度使用額は解析やデータバックアップに関わる器材の購入および論文執筆にあてる予定である。
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[Journal Article] Associations of Dental Health With the Progression of Hippocampal Atrophy in Community-Dwelling Individuals2023
Author(s)
Yamaguchi Satoshi,Murakami Takahisa,Satoh Michihiro,Komiyama Takamasa,Ohi Takashi,Miyoshi Yoshitada,Endo Kosei,Hiratsuka Takako,Hara Azusa,Tatsumi Yukako,Totsune Tomoko,Asayama Kei,Kikuya Masahiro,Nomura Kyoko,Hozawa Atsushi,Metoki Hirohito,Imai Yutaka,Watanabe Makoto,Ohkubo Takayoshi,Hattori Yoshinori
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Journal Title
Neurology
Volume: 101
Pages: e1056-e1068
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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