Outline of Annual Research Achievements |
従来型ジルコニアの粉末(TZ-3YSB-E, Tosoh)から外径5 mm, 高さ5 mm, 幅0.7 mmのチューブ状のジルコニアを作製した. 右側下顎第二大臼歯築造窩洞形成済みコンポジットレジン製人工歯に対して,①築造用コンポジットレジンのみで築造したRC群, ②築造用コンポジットレジンとグラスファイバーポストを併用して築造したFC群, ③築造用コンポジットレジンとチューブ状ジルコニアを併用して築造したZC群,以上3種類の支台築造法に高透光性ジルコニア(KATANA HTML, Kuraray Noritake Dental)にて最小厚みが0.5 mmのクラウンを作製し,装着した. 試料の頬側, 舌側のクラウン, 歯根の歯頚部付近にひずみゲージ(KFRB-02N-120-C1-16 N30C2, KYOWA)を貼付し,クラウンの頬側咬頭内斜面部, 中心窩部をそれぞれ歯軸方向から200Nの荷重を加え, 頬側, 舌側の歯頚部のひずみを測定した. 頬側咬頭内斜面部を荷重した場合, クラウン頬側にてRC群とZC群, 歯根頬側にてRC群とZC群, FC群とZC群, 歯根舌側にてRC群とZC群, FC群とZC群に有意な差を認め, ZC群が小さいひずみを示した. 中心窩を荷重した場合, クラウン頬側にてRC群とZC群, クラウン舌側にてRC群とZC群に有意な差を認め, ZC群が小さいひずみを示した. 歯根舌側にてRC群とFC群, FC群とZC群に有意な差を認め, RC群とZC群で小さいひずみを示した. 髄腔の大きな大臼歯に対しチューブ状のジルコニアを用いることにより,ポスト孔を形成することなくクラウン, 築造体, 歯根を一体化し, 歯頚部に対する抵抗性を向上させたメタルフリー支台築造が可能となることが示唆された.
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