2022 Fiscal Year Research-status Report
残存歯質保護を考慮した次世代高強度メタルフリー支台築造の検討
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21K09973
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
駒田 亘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10447493)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 支台築造 / メタルフリー / 漏斗状根管 / ジルコニア / 二ケイ酸リチウムガラスセラミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
漏斗状根管に対し根管内をレジンで強化しメタルフリー材料を用いた支台築造を行った支台歯の破壊強度を評価した.抜去牛歯を加工し下顎小臼歯に模倣した歯根を作製した.加工した歯根にコンポジットレジン(RC),ファイバーポスト併用コンポジットレジ(FRC),二ケイ酸リチウムガラスセラミックス(LD),根管内をコンポジットレジンで補強し二ケイ酸リチウムガラスセラミックス(RLD)を用いた4種類の支台築造を行った.支台築造後にイットリア部分安定化ジルコニアを用いたモノリシックジルコニアクラウンで歯冠修復を行い,側咬頭内斜面を荷重点としてクロスヘッドスピード1.0 mm/分で破壊が発生するまで荷重を加えた.最大荷重値を測定し,破壊様相の観察を行った.得られた最大荷重値を破壊抵抗値とし,一元配置分散分析およびTukey HSD法を用いて多重比較を行なった.さらに破壊荷重を従属変数,支台築造体の材料を独立変数に設定し回帰分析を行なった.また,破壊様相の分析にはFisherの直接確率検定を使用した.有意水準は5%とした. RLD群の破壊抵抗値はRC群,FRC群,LD群よりも統計的に有意に大きかった.築造体の外側部が二ケイ酸リチウムガラスセラミックスの場合は,コンポジットレジンよりも破壊抵抗は統計的に有意に低く,築造体の内側部が二ケイ酸リチウムガラスセラミックスの場合は,コンポジットレジンよりも破壊抵抗値は統計的に有意に高かった. 結果より,漏斗状根管を有する歯において,コンポジットレジンを用いて根管壁を補強して二ケイ酸リチウムセラミックスを用いる支台築造は,コンポジットレジン単独,またはグラスファイバーポストとコンポジットレジンを併用する場合よりも支台歯の破壊抵抗が高いことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 当初の計画通り,漏斗状根管へのコンポジットレジンとセラミックスとを組み合わせたメタルフリー支台築造の研究は問題なく遂行されている.得られた研究結果は学会発表を経て,学術雑誌へ掲載された. 並行して遂行されている牛歯を使用した小臼歯メタルフリー支台築造へのチューブ状ジルコニアの応用に関する研究ははデータを解析し,学会発表予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
牛歯を使用した小臼歯メタルフリー支台築造へのチューブ状ジルコニアの応用に関する研究で得られたデータを解析し,学会発表を経て学術雑誌に投稿する予定である.
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Causes of Carryover |
消耗品材料,牛歯など使用期限を考慮し,一部次年度に購入することになったため.
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